大谷翔平フィーバーに密着した米記者の結論は「我慢強く見守るべき」 (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

――大谷はうまくチームに溶け込めていましたか?

「チームメイトたちとの関係は良好ですね。エンゼルスの他の選手たちは『コミュニケーションが難しいのではないか』と心配していたようですが、水原一平通訳が夕食やウェイトルームにも同行していますし、会話は問題ないようです」

――プレシーズンのゲームでは、なかなかいい結果が出ませんでしたが。

「投手、打者の両面で苦しんでいましたね。多くのプレシーズンゲームは私がキャンプ地を去った後に行なわれたものなので直接見たわけではないですが、ここまでの結果が厳しいことは否定できません。

 それでも、エンゼルスの関係者は『心配していない』と言い続け、防御率のような、私たちが調子を判断する基準で大谷を評価しているわけではないことを強調しています。彼がプレシーズンにもっと優れた成績を残していれば、誰もが安堵(あんど)できることは間違いありませんが」

――現実的に考えて、大谷は今季中にメジャーで活躍できると思いますか?

「アジャストメントが進むまでの、特に最初の数週間の結果は厳しくなるでしょうね。また、現状では打者より投手としてのほうが上のレベルであることもつけ加えておきたいです。打者としての準備の時間が不足している中で、コンディションを向上させていくのは簡単ではないと思います」

――適応の難しさに対して、大谷はどう対応していましたか? また、将来的な展望はどうでしょうか?

「大谷本人は、結果が出なくても動揺しているようには見えませんでした。打者としてはミスを減らし、同時に投手としては失投を減らせるようになるかがポイントになります。彼の能力自体は素晴らしい。打撃練習ではとてつもないパワーを披露していますし、投手として投げるスライダーは"不公平"と言ってもいいくらいの武器です。いずれ、圧倒的なプレーヤーになる可能性は十分にあります」

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