大谷翔平のア・リーグ新人王を阻む、今季の「怪物ルーキー」は誰だ? (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • 益田佑一●撮影 photo by Masuda Yuichi

 一方、ハニーウェルは昨年7月に行なわれた「若手の球宴」フューチャーズゲームでMVPを獲得。今シーズンは早々にメジャーデビューかと思われていましたが、キャンプの打撃練習に登板したときに右ひじを痛めてしまい、じん帯断裂と診断されました。トミー・ジョン手術を受けることになったので、残念ながら今シーズン中の復帰は不可能でしょう。

 そして話は戻りますが、3人目に紹介したい大谷選手のライバルはテキサス・レンジャーズのウィリー・カルフーン(23歳/右投左打)です。カリフォルニア出身の外野手で、2015年にドラフト4巡目・全体132位でロサンゼルス・ドジャースに入団しました。

 ご存知のように、ドジャースといえば新人王を次々と生み出してきたチームです。1990年代に野茂英雄氏を含む5年連続で新人王を出し、2016年はコーリー・シーガー、そして2017年はコディ・ベリンジャーが受賞。カルフーンも期待の若手として入団しました。

 しかしながら昨年7月、ダルビッシュ有投手との交換トレードによってレンジャーズへ移籍。そして9月、メジャー初昇格を果たして13試合に出場し、打率.265・1本塁打・4打点という成績でシーズンを終えました。

 カルフーンの特徴は、パワーがありつつも三振が少ない点です。昨年はマイナーで128試合に出場して合計31本塁打を記録したのですが、一方で三振の数は61個。確実性を兼ね備えたスラッガーなのです。

 また、カルフーンは見た目も特徴的です。身長173cmと小柄ながら、がっしりとした体格で実に個性的。ユニフォームも昔風にダブダブに着こなすので、アメリカでは「まるでベーブ・ルースのような見た目だ」と言われています。

 今シーズンは開幕からレフトのレギュラー候補と期待されているので、同じア・リーグ西地区の大谷選手と対決するシーンも多く見られることでしょう。はたして今シーズン、ア・リーグの新人王は誰が受賞するのでしょうか。

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プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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