ダルビッシュ移籍後初勝利。ナ・リーグとの相性のよさはホンモノだった (5ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by Getty Images

 ナショナルズ戦は1試合の登板で1勝0敗、8イニングを投げて無失点・12奪三振。カブス戦も1試合の先発で0勝1敗ながら、9奪三振をマークしています。ロッキーズとは対戦したことがありませんが、ダイヤモンドバックス戦では2試合の先発で1勝0敗・防御率2.45。14イニング3分の2を投げて28個もの三振を奪っています。ダルビッシュ投手の獲得はプレーオフを勝ち抜くための戦力補強なので、これらの好成績が今回のトレードに大きく影響したのは間違いありません。

 ドジャースの先発陣はカーショウ、ウッド、ヒル、柳の4人が左投手で、上記のライバルのうち3チームは左投手に強いデータもあります。左投手の先発に対してナショナルズは11勝7敗、カブスは17勝7敗、ロッキーズは19勝12敗。そういうデータからも、右投手のダルビッシュ投手は貴重な存在と言えるでしょう。

 ドジャースはこれまで幾多の日本人投手が実績を残してきましたが、そのパイオニアといえば野茂英雄投手です。ダルビッシュ投手もかつての野茂投手と同じように、自慢の奪三振ショーで地元ロサンゼルスのファンを熱狂させてくれるのではないでしょうか。かつての「野茂フィーバー」をダルビッシュ投手が再現すれば、29年ぶりの世界一もグッと近づくと思います。

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著者プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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