2016.07.26

自己最速で11勝目。
データが語る岩隈久志「4色の変化球」効果

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 イチロー選手(マイアミ・マーリンズ)のメジャー通算3000本安打カウントダウンや、戦線離脱していたダルビッシュ有投手(テキサス・レンジャーズ)のメジャー復帰など、シーズン後半戦は日本人選手に注目が集まってきました。そんななか、シアトル・マリナーズの岩隈久志投手が7月23日のトロント・ブルージェイズ戦で早くも11勝目をマーク。自己最速ペースで勝ち星を積み重ねています。

今季11勝目でア・リーグ6位タイの勝ち星を挙げている岩隈久志 開幕直後の岩隈投手は、苦しいスタートを強いられました。4月は勝ち星なしの0勝3敗。しかしその後、徐々に本来の安定したピッチングを取り戻し、シーズン前半戦自己最多の9勝を挙げました。また、投球回数114イニング3分の1はチーム最多で、ア・リーグでは11位タイ。エースのフェリックス・ヘルナンデスが故障で離脱する苦しい状況のなか、先発投手陣で開幕から唯一ローテーションを守っています。好調マリナーズを牽引する中心選手と言えるでしょう。

 岩隈投手のすごさは、データを見ても顕著に表れています。まず特筆すべきは、コントロールの良さ。メジャー屈指の制球力は、今 シーズンも健在です。1イニングあたりの球数は、ア・リーグ2位の14.60球。2013年と2014年に2年連続でア・リーグ1位(2013 年=14.12球、2014年=14.20球)に輝いたときと遜色ない数字を残しています。

 球数が少ないと、監督としては長いイニングを任せることができます。岩隈投手の今シーズン20試合の先発登板を振り返ると、6イニング以上投げたのは16試合。直近では13試合中12試合で6イニング以上投げています。先発投手として責任投球回数と言われる「6イニング以上」を投げ続けるのは、まさにエースとしての役割をきちんと果たしている証拠でしょう。