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メジャーの超大物たちが
15年前に語っていた「イチローの衝撃」 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Getty Images

 ジェイソン・ジアンビ(当時アスレチックス/内野手)は、この前年にア・リーグMVPを獲得するなど、メジャーを代表するスラッガーであった。

「93年にハワイのウインターリーグで一緒にプレーしたことはよく覚えているよ。彼が首位打者で、僕が2位だったかな。イチローのバッティングは難しいよね。常に打席で動いているから、目と手がよほど合わないと成功しないスタイルだよね。ボールも動いている、彼も動いている。それであれだけボールをバットに当てられるんだから(笑)」

 ラモン・ヘルナンデス(当時アスレチックス/捕手)は、マスク越しに見たイチローの衝撃について、こう話してくれた。

「イチローを見れば、誰だって外角を攻めようと考えるよね。外角をホームランにするパワーがあるようには見えないんだから。だから外角で攻めて、ゴロを打たしていたんだけど......。緩めのボールを交ぜたり、いろんなことをやったけれど、彼はヒットにしてしまう。打つときに体が前に飛び出すんだけど、手はうしろに残っていて、ボールを自在に操っている。そしてミートしたら飛んでいくように走り出す。今、メジャーでそういうことができるのは、イチローぐらいじゃないかな」

 イチローはこの年、オールスターにも出場を果たした。ファンからの得票数は両リーグ1位という快挙だった。オールスターではメジャー屈指の左腕、マイク・ハンプトン(当時ロッキーズ/投手)とも対戦した。

「私は4、5球かけて三振を取るより、ゴロを打たせて1球で打ち取るほうがいいという考えだ。肩も長持ちするし、走者がいればダブルプレーも狙えるから。ただし、イチローが打者のときは、ゴロが真っすぐ野手に飛ぶことを願うばかりだよ。でなければセーフだからね。イチローはスピードで相手のディフェンスに問題を引き起こす。味方にいれば、最高の選手だな」

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