MLB若手有望株。これがマエケンと新人王を争うライバルだ
新シーズンが始まると、アメリカの野球メディアはこぞって「今年のプロスペクト(若手有望株)」を取り上げます。ただし、毎年大勢のルーキーが誕生するなか、大ブレイクするのはほんのひと握りです。そこで今回は、2016年に大きく飛躍しそうな若手を5人ほどピックアップしてみました。
ピッツバーグ・パイレーツのタイラー・グラスノー 最初に取り上げたい選手は、ロサンゼルス・ドジャースで遊撃手を務めるコーリー・シーガー(21歳)です。彼は2014年のオールスターに選ばれたカイル・シーガー(シアトル・マリナーズ)の弟で、2012年のドラフト1巡目・全体18位でドジャースに入団。昨年9月3日にメジャーデビューを果たし、27試合で打率.337・4本塁打・17打点という好成績をマークしました。
さらにプレーオフのメンバーにも選ばれると、ディビジョンシリーズ第1戦では3番・ショートに大抜擢。球団史上最年少となる21歳5ヶ月でポストシーズンでのスタメン野手となり、大きな話題となりました。昨年までドジャースを率いていたドン・マッティングリー(現マイアミ・マーリンズ監督)は、「デレク・ジーター、ケン・グリフィー・ジュニアに似ている」と大絶賛し、他の関係者も、「カル・リプケン・ジュニアを彷彿とさせる」と表現しています。それほど、シーガーはスター性のある逸材なのです。
今シーズンは開幕からショートのレギュラーが確実で、ナ・リーグ新人王の最有力候補と言われています。前田健太投手の入団でドジャースのテレビ中継は日本でも多くなるでしょうから、シーガーは絶対に注目しておいてください。
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著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)