2014.09.24

新たな金字塔へ。ヤンキース黒田博樹、40歳の挑戦

  • 笹田幸嗣●文 text by Sasada Koji
  • photo by Getty Images

 金字塔――今やこの言葉は、ヤンキース・黒田博樹のためにあると言っても過言ではない。

5連続2ケタ勝利を挙げた黒田博樹

 現地時間9月13日のオリオールズ戦で、黒田は野茂英雄に次ぐ史上二人目となる日米通算3000投球回を達成した。ちなみに日本球界では27人が達成している記録だが、大卒選手では若林忠志、村山実(ともに阪神)に次いで3人目の偉業となった。日米合わせて18年をかけ、コツコツと積み重ねた勲章に39歳の右腕は実感を込めてこう話した。

「冷静に考えると、体のあちこちに痛みが出てきても不思議ではないイニング数ですよね。大学を卒業してプロに入り、まさかこんなに投げられるとは思っていませんでした。本当に自分を支えてくれた周りの人に感謝したいと思います」

 黒田の金字塔はこれだけではない。今季はすでに2ケタ勝利を挙げており、日本人メジャーリーガーでただひとり5年連続2ケタ勝利を達成。また、昨シーズン達成した3年連続200投球回も、日本人メジャーリーガーでは黒田しか成し遂げていない記録。今季もすでに191回を投げており、4年連続200投球回に達することができるのか、注目が集まっている。

 まさに米国で言うところの”WORK HORSE(働き者)”だが、黒田の偉業は一般的に体力が下り坂に入る35歳を超えてから始まったものばかり。ここに彼の真骨頂がある。

「メンタルトレーナーともいつも話しをしているのですが、だから自分の中でできているんじゃないかなと思います。(年齢に対する)周りの目をいい意味で気にしなくなったというか。それが自分の力になっていると思います」

 まさに、無事之名馬。黒田の衰えぬ体力、気力、そして高い技術に感嘆するのは、ヤンキースのラリー・ロスチャイルド投手コーチだ。