錦織圭の偉業を称えたイチローの特別な思い
日本中に夢と元気を与えたテニスプレイヤー・錦織圭の大躍進。舞台となったニューヨークのビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンターは、ヤンキースタジアムからおよそ16キロ、渋滞がなければ車で20分ほどの距離にある。現地の興奮を肌で感じることができるこの空間で、イチローは錦織の偉業を称えた。
錦織圭の偉業にイチローも賛辞を惜しまなかった
それは錦織が全米オープンで決勝進出を果たした現地9月6日のこと。その言葉には、イチローにしか語ることのできない重みがあった。
「いやぁ、凄いね。テニスの知識はないし、僕はどのくらい凄いのかが......。まぁ、過去にやったことがないというのは計りになるけどね。でも凄いね。凄いという表現がちょっとダサいけど、気持ちがいいね。あの冷静な感じもいいよね」
世界の舞台で日本人として歴史的な快挙をやってのける。まさにそれは、イチローのメジャーリーグにおいての代名詞だった。10年連続シーズン200安打、シーズン最多の262安打はいずれもイチローだけが成し得たメジャーリーグ・レコードだ。
イチローと錦織のふたりに面識はない。だが、錦織が日本人として初めて決勝進出を果たしたことで、お互いが共有できる特別な価値観が生まれたはずだ。イチローが発した言葉のひとつひとつにそんな思いが感じられた。
「(日本のスポーツ界が)明らかに前に進んでいる証でしょう。それを刻んでいるよね。錦織選手が結果を出していないと、96年前の人の存在があまりにも遠すぎて......。そりゃ、気持ちいいよね」
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