2014.09.07

ダル発言から2カ月。メジャーで先発6人制が始まる!?

  • 笹田幸嗣●文 text by Sasada Koji
  • photo by Getty Images

 ヤンキースが真剣に”先発6人制”を検討しているという。ヤンキースは現地時間9月9日から、20日間で21連戦の強行スケジュールを消化しなければならず、もし先発を5人で回すことになれば、すべて中4日で投げなければならなくなる。

今季、ヤンキースは先発右腕のイアン・ノバがトミー・ジョン手術を受け、田中も右ヒジのじん帯を痛めた。だが、チームにとってもこれ以上、ケガ人を出すわけにはいかず、リスクを避けるためにも、先発を6人で回した方がいいのでは、と議論されている。

マウンド上で黒田博樹(写真右)にアドバイスするラリー・ロスチャイルド投手コーチ

 もともとヤンキースが先発6人制を検討したのは、田中の復帰にあった。もし田中が順調に回復していれば、9日からの21連戦中に復帰するはずだった。その田中に、中4日の登板を強いるのはリスクが高すぎるというのが、その理由だ。

 ただ、現時点で田中の復帰のめどは立っておらず、何人でローテーションを回すかは決まっていないが、幸い9月に入ってからロースター枠は最大40人まで拡大され、投手陣の駒は足りる。それに、もし6人で回すことになれば、39歳のベテラン・黒田博樹も中5日の恩恵を受けることになる。この件について、ラリー・ロスチャイルド投手コーチは否定しなかった。

「我々は先発投手の起用法だけでなく、いろいろな方法論を検討している。先発6人制は十分に検討する価値があると思っている。ただ、今の時点でどうなるかはまだわからない」

 メジャーリーグでは、1970年代に入り中3日での登板を主流とする先発4人制のローテーションが始まった。それからおよそ20年間、4人制のローテーションは続いたが、90年代に入ると中4日での先発5人制ローテーションへと変わっていった。そこにはどんな理由があったのか。当時の記事を探ると面白い事実を見つけた。

「今(90年代初頭)の選手たちは、トレーニングの近代化、栄養補給の進化により、以前の選手たちよりも強い体を作り出しているのは疑いようのない事実である。球速も格段に上がり、変化球の曲がりも大きくなった。しかし、その一方でヒジにかかる負担は以前よりも大きくなった。70年代に中3日で年間40試合もの先発をしていたゲイロード・ペリー、キャットフィッシュ・ハンターと同じような投球回数を投げようとすれば故障につながるだけだ」