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【MLB】C・カーショウの「投手3冠」を阻むのは誰だ?

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by AFLO

初の個人タイトルを目指すメジャーリーガーたち【ナ・リーグ編】

 今シーズンのナ・リーグ最大の注目といえば、ロサンゼルス・ドジャースのクレイトン・カーショウが投手3冠を達成できるか、に尽きるでしょう。現在、カーショウはリーグ1位の17勝(3敗)を挙げ、防御率はリーグ唯一1点台の1.70、そして奪三振数はリーグ3位の202個。レギュラーシーズン残り1ヶ月の出来次第では、投手3冠の可能性を十分に残しています。

完全復活したナショナルズのスティーブン・ストラスバーグ完全復活したナショナルズのスティーブン・ストラスバーグ ただ、他の投手もカーショウに易々(やすやす)とタイトルを独占させるわけにはいきません。投手3冠を阻む対抗馬は、シンシナティ・レッズのジョニー・クエトです。現在、カーショウに次ぐ16勝(8敗)を挙げ、防御率2.26と205奪三振はリーグ2位。カーショウに匹敵する成績を残しています。

 2008年にレッズでメジャーデビューを果たしたクエトは、ドミニカ共和国出身の28歳右腕です。2011年には8月下旬までリーグトップの防御率を残していたものの、9月に背中の故障で戦線離脱し、カーショウにそのタイトルを奪われてしまいました。翌2012年も素晴らしいピッチングを披露し、自己最多の19勝(9敗)を挙げましたが、ワシントン・ナショナルズのジオ・ゴンザレスが21勝(8敗)を記録したため、最多勝のタイトルには届かず......。クエトは何度も好成績を残しているのですが、いまだ個人タイトルを手にしたことがありません。

 昨シーズンはケガに泣いて5勝2敗に終わったものの、今シーズンは好調を維持し、初タイトル奪取まであと一歩。悲願達成なるか、クエトのラストスパートに注目です。

 そしてもうひとり、むしろクエトよりも初タイトルに近い選手がいます。それは、ワシントン・ナショナルズのスティーブン・ストラスバーグです。

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著者プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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