【MLB】史上最小165cmの首位打者、誕生なるか?
初の個人タイトルを目指すメジャーリーガーたち【ア・リーグ編】
レギュラーシーズンは残り1ヶ月を切り、いよいよ終盤戦に突入しました。プレイオフ進出をかけた熾烈な戦いが佳境を迎えていますが、それと同じぐらい気になるのは、選手の個人タイトル争いでしょう。昨シーズンまで無名だった選手たちが次々と台頭し、メジャーリーグを大いに盛り上げています。
首位打者のタイトルを狙う身長約165センチのホセ・アルトゥーベ 初めて個人タイトルを受賞するかもしれない選手の中で、今シーズン最もア・リーグで注目を集めているのは、ヒューストン・アストロズのホセ・アルトゥーベです。現在、アルトゥーベは打率(.340)、安打(193本)、盗塁(50個)の3部門でア・リーグ1位の座をキープ。もし、このまま3部門を制覇すれば、2001年の当時シアトル・マリナーズのイチロー選手以来となる快挙です(2001年のイチローは打率.350・242安打・56盗塁)。
さらに言えば、このままのペースでアルトゥーベが記録を伸ばしていくと、最終的に安打数は219本、盗塁数は58個に達すると見られています。この数字は1900年以降の近代野球において、1911年と1912年のタイ・カッブ(当時デトロイト・タイガース/1911年=打率.420・248安打・83盗塁、1912年=打率.409・226安打・61盗塁)、1980年のウィリー・ウィルソン(当時カンザスシティ・ロイヤルズ/打率.326・230安打・79盗塁)、そして2001年のイチロー選手に匹敵する数字と言われています。
そして、アルトゥーベが注目されているもうひとつの理由は、彼の身長の低さです。アルトゥーベの身長は、公式記録によると5.5フィート(約165.1センチ)。現役メジャーリーガーの中で、最も低い身長なのです。そんな小柄なアルトゥーベが首位打者のタイトルを獲るかどうか、その点にも全米中が注目しています。
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著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)