松坂大輔「野球を辞める覚悟はできている。でも、今じゃない」
こういうやり方がうまくないのは日本だろうとアメリカだろうと、変わらない。
追試を課して、合格点を取った。にもかかわらず、桜は咲かなかった。
ということは、そもそも追試なんて、やる意味がなかったじゃないか、ということになる。いや、むしろ、追試でよくない結果が出ることを期待されていたんじゃないかと、穿(うが)った見方をしてしまってもやむを得ないと思う。
オープン戦で好投した松坂大輔だったが、開幕メジャーは果たせなかった。
松坂大輔は、ニューヨーク・メッツの開幕メジャー、25人枠から外された。
合格点を取り続けながら追試を課せられ、その追試でもいい結果を出してみせたのにもかかわらず、だ。
4月7日(現地時間)、松坂はラスベガスにいた。
ラスベガス・51s(フィフティワンズ)。現在、メッツと提携している3A、パシフイック・コースト・リーグのチームである。松坂はラスベガスのブルーのユニフォームに袖を通し、7日のサクラメント戦に先発。5回を投げて被安打5、失点3、4奪三振、4つのフォアボールを与えてマウンドを下りた。5回で費やした90球は、オープン戦の松坂を思えばあまりに多すぎる。いかにコントロールに苦しんでいたかがうかがえる球数だ。
無理もない。
開幕メジャーを勝ち取るために、松坂は心身ともに相当な緊張を強いられてきたのだ。この春、彼はマイナー契約ながらも、メジャーのスプリングトレーニングに招待選手として参加。開幕メジャー、5人の先発ローテーション入りを目指して、オープン戦で結果を出し続けてきた。だからこそメディアは、松坂の"当確"を打ち続けた。メッツのテリー・コリンズ監督でさえ、先発の5番手には経験豊富なピッチャーの起用をと、松坂の開幕メジャーを示唆し、オープン戦の間も松坂に次の、その次の登板日まで伝えていたほどだ。マイナー契約の選手には異例の配慮である。
最終テストは、3月24日のカージナルス戦の"はず"だった。
1 / 5