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ダルビッシュ、過去の200奪三振投手とココが違う (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 一方、日本人投手の歴史を振り返るならば、まずはメジャー1年目から3年連続、計4回もシーズン200奪三振を達成した野茂英雄投手を取り上げるべきでしょう。1995年のロサンゼルス・ドジャース時代にナ・リーグ最多の238個、そして2001年のボストン・レッドソックス時代にア・リーグ最多の220個をマーク。両リーグで計2度、奪三振王に輝きました。しかし、いずれもメジャートップの奪三振数ではありませんでした。1995年はランディ・ジョンソン(294奪三振/当時シアトル・マリナーズ)に次ぐメジャー2位、2001年はランディ・ジョンソン(372奪三振/当時アリゾナ・ダイヤモンドバックス)とカート・シリング(293奪三振/当時ダイヤモンドバックス)に次いでメジャー3位。メジャー1位の座には、残念ながら届きませんでした。

 野茂投手以外でシーズン200奪三振を達成した日本人メジャーリーガーは、松坂大輔投手とダルビッシュ投手のふたりだけです。2007年に鳴り物入りでレッドソックスに入団した松坂投手は、メジャー1年目に201奪三振をマーク。これはメジャー8位の記録でした。一方、昨年のダルビッシュ投手はメジャー7位の221奪三振。ただ、メジャー2位となる1試合9イニング平均10.40個の奪三振率は、特筆すべき値だと思います。

 しかし、今年のダルビッシュ投手は、それを上回る数字を叩き出しているのです。現在、23試合の先発登板で153イニング3分の2を投げて207個の三振を奪い、奪三振率はなんと脅威の12.12。奪三振数はもちろんのこと、奪三振率もメジャートップの数字です。今シーズン、このままのペースで200イニングを投げたとすると、ダルビッシュ投手はシーズン269奪三振をマークすることになります。昨年はメジャー1年目ということで投球回数を抑えられましたが(191イニング3分の1)、今年はオールスター前に故障者リスト入りして休養を取ったので、残りシーズンはフル回転で200イニングを突破するでしょう。1995年に野茂投手が記録した日本人最多の236奪三振を抜くのは、時間の問題だと思います。

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