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ダルビッシュ、過去の200奪三振投手とココが違う

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 現地8月12日、テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有投手がヒューストン・アストロズ戦で自己最多となる15個の三振を奪って通算207奪三振とし、2年連続でシーズン200奪三振を達成しました。昨年は27試合目の登板で達成しましたが、今年は23試合目で大台をクリア。今季、ダルビッシュ投手は球団新記録となる「シーズン5度の1試合14奪三振以上」をマークするなど、驚異的なペースで三振の山を築いています。

球団史上ふたり目となる「2年連続シーズン200奪三振」を達成したダルビッシュ有球団史上ふたり目となる「2年連続シーズン200奪三振」を達成したダルビッシュ有 シーズン200奪三振以上をマークする投手は、毎年10人前後しか誕生しません。近年は「投高打低」の流れもあって、シーズン200奪三振を記録する選手は増えつつあるものの、数年前のメジャーでは毎年ひとケタの選手しか達成できないほど、非常に困難な記録なのです。また、ナ・リーグに比べ、指名打者制のあるア・リーグのほうが200奪三振を達成できる割合は低い。そんな背景を考えても、8月上旬で大台を突破したダルビッシュ投手は、改めてすごいピッチャーだと思います。

 所属するレンジャーズの歴史を振り返っても、創設した1972年から41年間の歴史でシーズン200奪三振を達成したのは、過去5人しかいません。古くは1974年、後に殿堂入りした大投手ファーガソン・ジェンキンスが225個の奪三振をマークし、1987年にはナックルボーラーのチャーリー・ハフが223個、1990年には荒れ球投手として有名だったボビー・ウィットが221個、そしてノーラン・ライアンが1989年から1991年まで3年連続してシーズン200奪三振を記録しています。近年では、2011年にC.J.ウィルソン(現ロサンゼルス・エンゼルス)が206奪三振、そして昨年のダルビッシュ投手が221奪三振をマークしました。ダルビッシュ投手の「2年連続シーズン200奪三振」は、ライアンに次ぐ球団史上ふたり目の快挙。メジャー2年目の日本人投手が、レンジャーズの歴史に新たな1ページを刻んだのです。

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著者プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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