いつか、再び...。1995年のオールスターで一度だけ観た「真夏の夢」

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by AP/AFLO

マット・ウィリアムス(左/ジャイアンツ)とクレイグ・ビジオ(右/アストロズ)というスター選手に挟まれて、少年のような笑顔を見せる野茂英雄マット・ウィリアムス(左/ジャイアンツ)とクレイグ・ビジオ(右/アストロズ)というスター選手に挟まれて、少年のような笑顔を見せる野茂英雄 MLBオールスターにおける日本人選手の歴史は、1995年の野茂英雄(ドジャース)から始まった。野茂は日本人初のオールスター出場と同時に、日本人初のスターティング・ピッチャーという偉業も成し遂げたのだった。

 あれから18年、投手としては他に佐々木主浩(マリナーズ)、長谷川滋利(マリナーズ)、斎藤隆(ドジャース)が登板を果たしたが、先発投手として選出され、MLBオールスターのマウンドに立った者は野茂以外にいない(昨年、レンジャーズのダルビッシュ有が先発投手として選出されたものの登板はなかった)。

 そして今年である。ダルビッシュと岩隈久志(マリナーズ)がオールスターに先発投手として選出された。その時点では"18年ぶりの日本人先発もあるぞ"というほど期待は膨らんでいた。が、しかしである。悪い知らせが立て続けに届く。ダルビッシュは右肩の張りを訴え故障者リスト入り。岩隈は現地14日のエンゼルス戦での先発が濃厚のため、「先発投手がオールスターで登板するには中一日が必要」との規定でアウト!。

"あんまりだ!"とため息をつき、そうして、あの夏の一夜を思い出すのだった。

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