【MLB】スモルツの悲劇、再び? バーランダーの後継者がマーリンズに (3ページ目)
しかし今年3月、ビスカイーノはトミー・ジョン手術を受けることになり、今シーズン絶望となったのです。現在はメジャー復帰を目指して、リハビリの日々。それにもかかわらず、カブスはトレードで彼を獲得しました。リハビリ中の選手を獲得するなんて、常識的には考えられません。復帰後、ビスカイーノがどのぐらい活躍してくれるのか、非常に楽しみです。
カイル・ヘンドリックス(22歳/右投げ)
(テキサス・レンジャーズ → シカゴ・カブス)
そしてもうひとり気になる投手が、カブスにトレードされました。7月31日にテキサス・レンジャーズは、ベテラン投手のライアン・デンプスターをカブスから獲得。その見返りとして、カブスは1対2のトレードのひとりにカイル・ヘンドリックスという22歳の右腕をチョイスしました。
気になっている理由は、ヘンドリックスという投手がアイビーリーグのダートマス大学からレンジャーズにドラフト8巡目で入団した、言うなれば「まったく注目されていない選手」だったからです。しかも球速も、決して速くはありません。ではなぜ、カブスは獲得に動いたのか。それは、マイナー2年間で112個の奪三振に対し、フォアボールはわずか15個と、抜群の制球力を持っているからなんです。
このように、リハビリ中の選手だったり、全然注目されていない選手だったり、今トレードでのカブスの動きは非常に興味深いと思います。それを指示しているのは、昨年までボストン・レッドソックスのGMを務め、2度のワールドチャンピオンに導いたセオ・エプスタインです。再建に動き出した古豪がどう蘇るのか、カブスの両投手の活躍と、エプスタインの手腕にも注目です。
著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)
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