【MLB】大バケの可能性大? 本塁打王バティスタの再来なるか

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by Getty Images

スター候補生だったトラビス・スナイダーがパイレーツで大バケの予感!?スター候補生だったトラビス・スナイダーがパイレーツで大バケの予感!?【注目のトレード若手有望株・野手編】

 今シーズンは7月31日のトレード期限までに動かなかったベテランも多く、8月31日の25人枠ロースターの締め切りまで、まだ目が離せません。プレイオフを見据えて大物獲得を狙う強豪チームの動きも楽しみですが、来シーズンに向けてベテランから若手にシフトしようとする下位チームのトレードも注目です。なぜならばこの時期にトレードで手にした無名の若手が、のちに大きな金塊に大バケするケースも多いからです。

 その最たる例が、1990年8月31日にヒューストン・アストロズとボストン・レッドソックスが行なった1対1のトレードです。レッドソックスは2年ぶりの地区優勝を目指すため、アストロズから37歳のベテランリリーフ投手、ラリー・アンダーセンを獲得しました。一方のアストロズは、すでに41歳を迎えていたノーラン・ライアンを1988年シーズン後に放出し、チームの若返りを図ろうとしている時期でした。そんな背景もあってアストロズは、1989年のドラフト4巡目でレッドソックスに入団した若手をトレードで手に入れます。それが、当時22歳のジェフ・バグウェルだったのです。

 移籍後のバグウェルは、たちまちチームの顔となり、アストロズ一筋に15年間プレイ。通算449本塁打を放ち、球団史に残る選手となりました。今シーズンも多くの無名プレイヤーがトレードによって他球団へ移籍しているので、今回はその中でも注目しているバッターを紹介したいと思います。

トミー・ジョセフ(21歳/捕手)
(サンフランシスコ・ジャイアンツ → フィラデルフィア・フィリーズ)

 まずひとり目は、7月31日にハンター・ペンス(今季17本塁打・65打点)とのトレードでサンフランシスコ・ジャイアンツからフィラデルフィア・フィリーズに移籍した、トミー・ジョセフというキャッチャーです。2009年ドラフト2巡目でジャイアンツに入団したジョセフは、当初から強打のキャッチャーとして大きな期待を集めていました。しかしながら、ジャイアンツにはオールスター捕手のバスター・ポージーが在籍しています。よって、キャッチャーはしばらく安泰と言われているジャイアンツにおいて、ジョセフのポジションはありませんでした。

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