【MLB】スモルツの悲劇、再び? バーランダーの後継者がマーリンズに (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by Getty Images

ジェイコブ・ターナー(21歳/右投げ)
(デトロイト・タイガース → マイアミ・マーリンズ)

 今トレードで最も注目しておきたい投手は、タイガースからマイアミ・マーリンズにトレードされた21歳の右腕ジェイコブ・ターナーです。7月23日、タイガースはアニバル・サンチェス(2006年にノーヒットノーラン達成)という投手と、オマー・インファンテ(ベネズエラ出身のユーティリティプレイヤー)という内野手を手に入れるため、ターナーを含む3選手をマーリンズにトレードしました。

 ターナーは2009年のドラフト1巡目指名でタイガースに入団した、将来のエース候補と言われる若手のホープです。昨年7月30日には20歳で早くもメジャーデビューし、今年の7月22日にはシカゴ・ホワイトソックス戦で初勝利も挙げています。将来はジャスティン・バーランダーに次ぐ先発2番手として期待されていました。しかし、今年は故障により、先発ローテーション入りのチャンスを逃してしまっていたのです。このケガがなければ、トレード要員にならなかったかもしれません。

 ターナーの武器は、長身から放たれる剛速球とチェンジアップです。1995年に野茂英雄投手がロサンゼルス・ドジャースでメジャーデビューしたとき、クローザーを務めていたトッド・ウォーレルが引退後にターナーの高校でコーチとなって、その素質を開花させたと言われています。もし、ターナーがマーリンズで大ブレイクすることになれば、タイガースはスモルツに次ぐ球界のエースを逃したことになるかもしれません。

アローディス・ビスカイーノ(21歳/右投げ)
(アトランタ・ブレーブス → シカゴ・カブス)

 次に紹介するのは、7月31日にブレーブスがポール・マホーム(2003年ドラフト1巡目投手)とリード・ジョンソン(今季カブスで打率.302の外野手)を獲得するために、2対2の交換でシカゴ・カブスにトレードされたアローディス・ビスカイーノという右投手です。ドミニカ共和国出身で、ニューヨーク・ヤンキースと契約後、2009年、ブレーブスに移籍してきました。昨年は先発からリリーフに転向し、8月にはメジャーデビュー。17試合に登板し、2012年はさらなる飛躍の年となるはずでした。

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