【MLB】前半戦10勝のダルビッシュ。全米の最新評価は? (2ページ目)
では、ダルビッシュ投手の何が評価されているか。アメリカでは、以下の3つの点が評価されています。
まずは、『奪三振』の数。前半戦を終えた段階で、ダルビッシュ投手はフェリックス・ヘルナンデス(シアトル・マリナーズ)、バーランダー、マックス・シャーザー(タイガース)に次いで、ア・リーグ4位の117奪三振を記録しています。これは、シーズン200奪三振を超えるペースです。『200奪三振』というのは一流奪三振投手のバロメーターですから、この奪三振の数は非常に高く評価されています。
さらにすごいのが『三振奪取率』です。シャーザーに次ぐリーグ2位の1試合平均10.26の奪三振率は、驚きに値する数字です。特にダルビッシュは前半戦で最速97マイル(時速約156キロ)をマークするなど、平均91~94マイル(時速約146~151キロ)のストレートを常時記録しています。メジャーのファンは豪腕投手が好きですから、ストレートで勝負できる本格派のダルビッシュ投手は、その点でも高く評価されていると思います。
次に高評価となったポイントは、『被安打が少ないこと』です。102イニング3分の2を投げて、わずか87安打しか打たれていません。1試合平均で換算すると、7.63本です。これはリーグで6番目に少ない数字となります。さらに、レンジャーズの本拠地(レンジャーズ・ボールパーク・イン・アーリントン)はホームランが出やすい球場として有名ですが、それにもかかわらず被本塁打はたったの9本。ヒットやホームランを打たれないのは一流ピッチャーの証ですので、それもサイ・ヤング賞予想でランキング上位に入った理由でしょう。
そして3つ目が、やはり『前半戦で10勝を上げたこと』です。同僚のハリソンと、レイズのプライスの11勝に次ぐ勝ち星を記録し、さらに勝率も.667と、エースに値する高い数字を残しています。前半戦と同じペースで勝ち続ければ、日本人初の20勝も夢ではありません。ちなみに新人で20勝を挙げた投手は、1985年のトム・ブラウニング(当時シンシナティ・レッズ)以来、誕生していません。ア・リーグに至っては、1954年のボブ・グリム(当時ニューヨーク・ヤンキース)が最後。もし、ダルビッシュ投手がそのような快挙を達成すれば、全米中が大騒ぎになるのではないでしょうか。
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