【MLB】松井秀喜、ライバルたちが戻ってくる6月以降の使われ方は?

  • 水次祥子●文 text by Mizutsugi Shoko
  • photo by Getty Images

メジャー昇格後の初戦でホームランを放った松井秀喜メジャー昇格後の初戦でホームランを放った松井秀喜 レイズとマイナー契約した松井秀喜が、入団から29日目にメジャー昇格を果たし、初戦で2ラン本塁打を放つ鮮やかな新天地デビューを飾った。傘下の3Aダーラムで13試合に出場し打率1割7分、0本塁打、4打点という成績での昇格。松井自身も「ちゃんとした成績を残して行きたかった」と言う通り、十分に調整できたのかといえば不安が残る船出だったが、ここ一番での強さはやはり健在だった。

 もっとも、本当の戦いはこれからだ。マイナー契約から這い上がってきたベテランは大抵の場合、両極端の扱いを受ける。結果を出し続ければ起用されるが、駄目なら容赦なく切られるというのが普通だ。

 松井の昇格は予想されたよりも早く、突然に発表された感がある。それはレイズに故障者が続出しており、攻撃面で苦戦する試合が続いていたというチーム事情があったからだ。しかし6月上旬には外野手兼一塁手のブランドン・アレンと左翼手のデズモンド・ジェニングスが故障から復帰する見通しで、果たしてこの時に誰を外すことになるのか?

 ジョー・マドン監督は、「状況によって松井を左翼とDHと代打で起用する」と今後の構想を明かしているが、それも結果を出し続けてこそだろう。また、DHには同じ左打ちのルーク・スコットがおり、相手先発が手強い左投手のときにスコットの代わりに松井を起用するのではないかとも言われている。松井は左投手を苦にしないと言われているが、昨季は手強い左相手で休むことが多かった。それが真逆になるのである。

 松井はメジャー10年目にして、かつてないほどの厳しい状況で戦っていかなければならない。それでも、どこからも契約のオファーがなく開幕を迎え、マイナーから這い上がった今の松井なら、この厳しい状況にも立ち向かっていけるだろう。

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