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【夏の甲子園2026】横浜・村田浩明監督が説く「打ってから走るはナンセンス」 勝負を分ける「0.1秒」の走塁術 (5ページ目)

  • 氏原英明●文 text by Hideaki Ujihara

「0アウト、1アウトの野球と2アウトの野球では、全然違うじゃないですか。2アウトなら、走者は何も考えずにスタートを切れる。でも、そこじゃなくて、0アウト、1アウトでも、2アウトでできる感覚の走塁をしてほしいんです。なるべく2アウトの走塁に近づける。そういう意識は持ってほしいですね」

 走塁に満足はない、というのが村田監督の考えだ。だからこそ、どこまでも突き詰め、究極の走塁を追求しようとする姿勢が今の横浜にはある。

 かつての横浜には、打席に立つだけで相手に威圧感を与えるような強打者が揃っていた。今年のチームに、そこまで圧倒的な力強さがあるわけではない。だが、走塁に目を向ければ話は別だ。これほどまでに次の塁を貪欲に狙い、相手のわずかな隙を得点へとつなげようとする横浜を、これまで見た記憶がない。

 準々決勝の相手は花巻東(岩手)。同じように走力に自信を持つチームだ。村田監督は「走塁がうまい選手は守備もうまい」と語り、走塁と守備は表裏一体だと考えている。

 横浜・織田と花巻東の強打者・古城大翔や赤間史弥らの対決に注目が集まりそうな一戦だが、どちらが相手のわずかな隙を先に見つけ、次の塁を奪うのか。そして、どちらがその隙を与えずに守り抜くのか。わずか0.1秒をめぐる攻防が、勝敗を分けることになるかもしれない。

著者プロフィール

  • 氏原英明

    氏原英明 (うじはら・ひであき)

    1977年生まれ。大学を卒業後に地方新聞社勤務を経て2003年に独立。高校野球からプロ野球メジャーリーグまでを取材。取材した選手の成長を追い、日本の育成について考察。著書に『甲子園という病』(新潮新書)『アスリートたちの限界突破』(青志社)がある。音声アプリVoicyのパーソナリティ(https://voicy.jp/channel/2266/657968)をつとめ、パ・リーグ応援マガジン『PLジャーナル限界突パ』(https://www7.targma.jp/genkaitoppa/)を発行している

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