【夏の甲子園2026】横浜・村田浩明監督が説く「打ってから走るはナンセンス」 勝負を分ける「0.1秒」の走塁術 (3ページ目)
【打ってから走るでは遅い】
これ以外にも、川上はレベルの高い走塁を見せている。2回表、二塁走者だった川上は、6番・田島陽翔のレフトフライでタッチアップし、三塁を陥れた。決して当たり前にできる走塁ではない。この場面でも、川上の的確な打球判断が光った。
川上が続ける。
「相手のレフトの肩がそれほど強くないことは把握していたので、ああいう打球ならタッチアップできるかなと思いました。走塁練習は、甲子園に来てから3、4回やりましたし、二塁から一気に本塁へ生還する走塁など、すごくこだわっています。そこはどこの高校にも負けないと思います」
最終的な判断は走者に委ねられているが、その土台となる基本姿勢は徹底して叩き込まれている。村田浩明監督によれば、二塁走者のスタートやコーナリングなど、基本的な走塁技術を身につけるのは大前提。そのうえで、練習や試合を通じて、とにかく意識づけを繰り返す。
ただ、横浜の走塁レベルが高い理由は、それだけではない。村田監督が「それだけではナンセンス」と語る、もう一段上の判断力を選手たちに求めているからだ。
村田監督はこう語る。
「たとえば二塁走者が、ヒット1本で本塁を狙う場面で、『打ってから走る』というのはナンセンスだと言っています。打つ前に、キャッチャーがどこに構えているのかを見る。インコースなら打球が内側に入ってくることが多いので、球の高さを見てスタートを切ることもできる。打球が飛んでから判断するのではなく、事前に予測して、インパクトの前から走り出す。それくらいの意識が大事だと伝えています」
こうした判断力について、村田監督は「訓練して鍛えるしかない」と話すが、高いレベルの走塁を身につけるためには、失敗を避けるのではなく、失敗も成長の過程として受け入れることが重要だという。
「失敗すると思うし、失敗していかなきゃいけない。今日の(日南学園戦での)失敗というのは、とてつもなく大きなものです。完璧なんて絶対にないので、その失敗をどう糧にして、また成長し、強くなれるかというところです」
成功だけを求めるのではなく、失敗から学びながら判断力を磨いていく。その日々の積み重ねによって、横浜の走塁は鍛え上げられている。
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