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【夏の甲子園2026】小6時に神宮を騒然とさせた"驚弾"から5年 仙台育英・小久保颯弥が吐露した「スーパー小学生」の呪縛 (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Takahiro Kikuchi

 小久保にとっての一番の武器。それは50メートル走6秒フラットの快足だった。それも、試合になるほど研ぎ澄まされる、実戦性のある走塁である。

 小久保は自信たっぷりに豪語する。

「本番になると、なぜか練習の時より足が速くなるんですよね」

【自分はホームランバッターではない】

 高校1年春から公式戦デビューを果たすなど、小久保は仙台育英でもまずまずの滑り出しを見せる。ただし、夏の大会はベンチ外。甲子園はアルプススタンドでの応援に回った。小久保は複雑な思いを抱えながら、チームの躍進を見守っていたという。

「同じ1年の有本(豪琉)や砂(涼人)が試合で活躍して、倉方(湊都)もベンチに入って。スタンドで一番悔しい思いをしました。次の夏は絶対にメンバーに入って、自分からチームを引っ張っていける選手になると決めました」

 その言葉どおり、小久保は今夏の宮城大会5試合で打率.389をマークし、四球も4個選んでいる。そして、決めた盗塁数は7個。49代表の選手のなかでもトップタイの数字である。

 小久保の名誉のためにも強調しておきたいが、必ずしもスケールダウンしたわけではない。今の小久保の姿こそ、本人が胸を張って勝負できる実像なのだ。

 小久保は言う。

「自分はホームランバッターではありません。高校は高校で、違った自分の姿を見せていけたらと思います」

 将来の夢はプロ野球選手。高卒で進めたら理想だが、現実を見つめながら大学進学も視野に入れ始めている。

 将来はどんなプロ野球選手になりたいか。そう尋ねると、小久保は迷うことなく口を開いた。

「プロはピッチャー有利の世界なので、自分の足を生かして活躍したいです」

 その言葉に「スーパー小学生」の面影はなかった。今を生き、未来に突き進む。リードオフマンのたくましさが滲んでいた。

著者プロフィール

  • 菊地高弘

    菊地高弘 (きくち・たかひろ)

    1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。

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