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【夏の甲子園2026】投手分業、DH制が当たり前の時代に「打って、投げて、走る」 鳴門渦潮・西村大輝という"絶滅危惧種" (2ページ目)

  • 元永知宏●文 text by Tomohiro Motonaga

 西村は試合後、その場面についてこう振り返った。

「(全力疾走したので)息は上がっていたんですけど、慣れているので大丈夫でした」

 9回表、西村は八王子実践の2番・桜泰成にライト前ヒットを許し、そこからピンチを招いて同点に追いつかれた。それでも、延長タイブレークに突入した10回表は無失点で切り抜け、その裏のサヨナラ勝ちを呼び込んだ。

 西村は10回を投げ抜き、投球数は128球。5安打1失点に抑え、5三振を奪う見事なピッチングだった。さらに驚かされたのは、終盤になっても140キロを超すストレートを投げ込むなど、最後まで抜群のタフさを見せつけたことだ。

【打って、投げて、走るのが野球】

 179センチ、76キロの西村は、もともと上手投げだった。

「中学時代も時々(横から)投げていたんですけど、この春が終わったくらいから本格的に横から投げるようになりました。今はそれが一番ハマっていると思います。軽く投げても140キロくらい出ますし、スライダーもよく曲がるようになりました」

 投球フォームを変えたことで、思わぬ効果も生まれた。

「体全体を使って投げるようになって、逆に体力の消耗が減りました」

 この春から導入されたDH制を試し、西村も投手に専念したことがあったという。

「DHを使って、ピッチングだけしたこともあるんですけど、今の形が一番いいですね。投げるだけなら体力的には楽ですけど、僕は打つことも好きなので、両方やらせてもらっています。やっぱり、打って、投げて、走るのが野球だと思います」

 バッテリーを組む捕手の西岡大誠は、西村について次のように語る。

「下級生の頃は精神的にまだまだというか、ピンチになると焦って、フォアボールということもありました。それに以前なら、走者として塁に残ったままチェンジになると、ベンチ近くまでゆっくり歩いて戻って、それからヘルメットを脱ぐという感じでした。でも、エースになってから変わりましたね。精神的にも強くなりました。今日もピンチの場面はありましたが、いつもどおり投げていました」

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