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【夏の甲子園2026】「優勝は横浜じゃない」 波乱必至の組み合わせで識者5人が選んだ優勝校はここだ! (4ページ目)

田尻賢誉氏(ライター)

優勝予想:花咲徳栄

 個人的な好みで言えば、 "推し"は関東一(東東京)。能力任せに思いきり投げ、力任せに打つチームが多いなか、しっかりした"野球"をやっている。東東京大会決勝では左中間の浅いフライで三塁走者がタッチアップで生還する場面があったが、ほとんどのチームは三塁走者が不要なハーフウェイをしていただろう。派手なプレーをせず、きっちりやるから取りこぼしも少ない。

 だが、今大会はあえて別のカラーのチームを優勝候補に挙げたい。それは、花咲徳栄(埼玉)だ。今年のチームを象徴するのが1番を打つ岩井虹太郎。岩井隆監督の次男だ。わかりやすく気分がプレーに表れるのが特徴で、第1打席で打つと固め打ち、そうでなければ沈黙ということが多い。また、プレーに喜怒哀楽が出やすいのも特徴。

 埼玉大会決勝では、一死二塁で右翼線にヒット性の当たりを放つも、相手のポジショニングに阻まれライトライナー。二塁走者が飛び出して併殺になると、その場にへたり込んでしまった。そんな"気分屋"の岩井だが、誰よりも声を出し、誰よりもユニフォームを泥だらけにする。勝利への執念は間違いなくチーム一だ。

 今年の花咲徳栄は岩井の性格そのままのようなチーム。いい時はいいが、ダメな時はダメ。浮き沈みが激しく、まるでジェットコースターのようだ。秋の関東大会(対法政二)で0対9からひっくり返す奇跡の大逆転をしたかと思えば、選抜では準々決勝の智辯学園(奈良)戦で8対0からひっくり返されるまさかの大逆転負けを喫した。

 春の大会でも、埼玉大会で浦和学院に1イニング5失点と4失点を一度ずつ。関東大会でも専大松戸に1イニング5失点と、とにかくビッグイニングをつくられることが多い。この悪癖さえ顔を出さなければ、岩井監督が下級生時から手塩にかけて育てたエース・黒川凌大、チーム一の好打者・笹崎昌久、強肩強打の捕手・佐伯真聡を中心に戦力は整っている。

 何よりも、岩井監督が虹太郎と過ごす最後の夏。選抜の東洋大姫路(兵庫)戦、1点ビハインドの8回表一死満塁で息子に打順が回ってきた時には「打たなきゃ地獄、打ったら天国」と笑っていたが(結果は死球で押し出し)、岩井親子がどんな顔で大会を終えるのか。初戦敗退もあれば、優勝もある"徳栄ジェットコースター野球"に注目したい。

 と、ここまで書いたところで組み合わせ抽選の結果は初戦の相手が唯一決まらない49番目の登場となった。このクジを引いた学校は6大会連続初戦敗退中で、通算成績も勝率2割5分に満たない。昨年も優勝候補の一角に挙げられていた神村学園(鹿児島)が敗れている。浮き沈みの激しい花咲徳栄は、はたして負のデータを破ることができるのか----。

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