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【大学野球】ドラフト戦線に新たな主役出現 青学大・鈴木泰成も認めた近畿大の154キロ右腕・宮原廉が"上位指名確実"と言われるワケ (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Takahiro Kikuchi

【亡き恩師への恩返しは終わらない】

 こんな重要な舞台でも、新たな挑戦ができる胆力。それは、宮原が現状維持ではなく、常に前進しようとしている証拠でもある。

 宮原は言う。

「今の段階でこんなことを言っていいのかわからないんですけど、自分はプロに行ってからが勝負だと考えています。プロで活躍することを目標にして練習していますし、自分は未完成ですから。フォームもストレートも変化球の精度も、まだまだ改善できる部分はあります。だから今の時点で同世代の選手と比べられても、あまり意味はないのかなと感じます」

 宮原は自分自身の可能性を信じている。その自信は、今は亡き恩師から授けられたものだった。

「高校2年まで應武(篤良)さんが監督だったんですけど、1年生の何でもないピッチャーだった時から『いいよ、いいよ』と褒めてくれて、試合で使ってくれました。應武さんのお陰で自信がつきましたし、今でも感謝しています」

 應武は新日鐵君津(現・日本製鉄かずさマジック)、早稲田大で監督を務め、数々の名選手を指導してきた。母校である崇徳の監督になり、宮原ら後進を育成する途上で病に倒れた。恩師は2022年9月に鬼籍に入ったが、宮原にとっての恩返しは続いている。

 目標はプロの世界で大エースになること。リリーフ適性も高いが、本人は「先発にこだわりたい」と語っている。

「もともと投げるスタミナはありますし、長いイニングを投げるほうがやりがいもあって、楽しいので」

 すでにドラフト3位以内の指名でなければ強豪企業チームへ進む意向を示しているが、その制約も意味をなさないだろう。宮原廉はすでに、ドラフト上位でなければ獲れない存在になっている。

著者プロフィール

  • 菊地高弘

    菊地高弘 (きくち・たかひろ)

    1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。

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