【高校野球】「やってしまった」 山梨学院・吉田監督が後悔した"日本球界の宝"発言菰田陽生に起きた劇的変化 (4ページ目)
【マウンドのほうが楽しい】
── 春のセンバツ直前も、投手として状態が上がっていたと聞きました。
「はい。それだけにマウンドに立ちたかったです。まだピッチャーとしていい姿をあまり見せられていないので。その分、夏の甲子園に絶対に戻ってきたいと思いました」
── 今日はカットボールを投げていましたが、今までのイメージにはない球種でした。
「センバツ前に覚えたんです。去年は真っすぐとスライダーしかありませんでしたが、今はカットボールもフォークも自信があります。カットボールは檜垣(瑠輝斗)の握りを参考にしました。檜垣のカットボールは高校トップクラスのボールですから」
── 檜垣投手も故障から復調途上のようですね。タイプは違っても、彼のような実戦派投手の存在は大きな刺激になるのでは?
「はい。檜垣とは昨夏から一緒に投げてきましたし、ライバル心もあります。お互いに高め合い、教え合う存在です」
── 投手として状態が上がってきましたが、投手と打者、どちらのほうが楽しいですか?
「マウンドに立っている時のほうが楽しいですね。主導権を握れている感じがありますから」
── 今後も二刀流を継続したいですか。それとも、求められる形でプレーしていきますか。
「この夏はどちらでもチームの勝利につながる活躍をしたいと思います。その後は、求められるほうでいけたらと考えています」
菰田を身近で見守ってきた吉田部長は、以前まで「将来性は投手のほうがあると思う」と語っていた。高校最後の夏を前に投手として急成長する菰田を見て、さぞ喜んでいるだろう。そう想像していたのだが、吉田部長は意外にも複雑な表情をのぞかせた。
「いや、バッターとしても成長しましたし、ここまで飛ばせる選手はいないですからね......」
投手としても、打者としても捨てがたい。まさしく大谷翔平(ドジャース)の高校3年夏の状況と重なって見える。
山梨学院は7月6日に韮崎との山梨大会初戦を迎える。菰田陽生が「日本球界の宝」らしいパフォーマンスを見せたその時、新たな伝説が始まる。
著者プロフィール
菊地高弘 (きくち・たかひろ)
1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。
フォトギャラリーを見る
4 / 4














