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【高校野球】最速140キロでなぜここまで騒がれるのか 8球団が熱視線を送る関東学園大附・田村瑛輝の"超素材型"ぶり (3ページ目)

  • 高木遊●文 text by Yu Takagi

【未完の大器が挑む最後の夏】

 そして、この急成長を支えている要素として、ふたりの恩師が口を揃えて評価するのが、田村の人間性だ。

「気合いは入っているのですが、気持ちがブレない。やると決めたらやるし、違和感を感じたら、それもしっかり言える。私や北川さんと対等に話ができる、精神的に自立した選手です」(羽鳥コーチ)

「真面目でしっかりしていることに加え、選手としての成長に必要な"他者に気を取られない"ところがあり、純粋に自らと向き合えています」(北川氏)

 また、やや腕を下げた独特の投球フォームについても、「ホワイトソックスで今季台頭してきたノア・シュルツのようなイメージです」と羽鳥コーチが言えば、北川氏も「スライダーがよくなってきているので、オリックスの曽谷龍平投手をイメージしています。この投げ方でも、フォークをしっかり落とせるようになってきました」と評価。強打者が揃う世界でも、際立つ個性を放つ存在になりそうだ。

 スカウトの間では「超素材型」との声もあるように、安定感や完成度という点では、まだ発展途上だ。実際、4月25日の準々決勝の前橋商戦では、3回2/3を投げて8安打7失点で降板。悔しさの残るマウンドになった。

 それでも、羽鳥コーチが「誰よりも勝ちたい気持ちを持っている選手です」と語れば、田村自身も「目標はプロ入りと甲子園です」と言うように、将来だけでなく、夏の大会もしっかり見据えている。

 羽鳥コーチは、「投手陣のなかで、田村だけ別メニューにしていた時期もありました。これだけ田村の育成にエネルギーを注いでいるのも、今の群馬で勝ち抜くには、プロに行くレベルの投手が必要だからです」と明かす。

 伸びしろたっぷりの大型左腕は、これからどんな成長曲線を描いていくのか。この夏の高校球界を沸かせ、やがては日本球界全体にその名を轟かせる存在へと飛躍していってほしい。

著者プロフィール

  • 高木 遊

    高木 遊 (たかぎ・ゆう)

    1988年生まれ、東京都出身。大学卒業後にライター活動を開始し、学童・中学・高校・大学・社会人・女子から世代別の侍ジャパン、侍ジャパントップチームまでプロアマ問わず幅広く野球を中心に取材。書籍『東農大オホーツク流プロ野球選手の育て方〜氷点下20℃の北の最果てから16人がNPBへ〜』(樋越勉著・日本文芸社)『レミたんのポジティブ思考"逃げられない"な"楽しめ"ばいい!』(土井レミイ杏利著・日本文芸社)『野球で人生は変えられる〜明秀日立・金沢成奉監督の指導論(金沢成奉著・日本文芸社)では、編集・構成を担当している。

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