【高校野球】大阪桐蔭Vの裏で見つけた"隠れ逸材"たち 荒木雅博の教えを体現した遊撃手、三拍子揃う捕手、14球で流れを変えた右腕 (3ページ目)
また7回の4打席目では、萬谷のスライダーに体勢を崩されながらも、ライト線へ鋭いライナーを運んでみせた。右翼手のわずかなもたつきを見逃さず、三塁打にしてみせた一瞬の野球勘。
初回の第1打席では、四球で出塁すると二盗を決めるなど、走塁能力も光った。機動力、打撃センス、そして地肩の強さ......。174センチ78キロ、三拍子揃った高校生捕手が登場した。
花咲徳栄戦で1イニングを投げた東洋大姫路の大野泰聖 photo by Ryuki Matsuhashiこの記事に関連する写真を見る
【理論が生んだ14球の完璧なピッチング】
大会3日目の第3試合で、北照(北海道)を4安打完封に抑えた専修松戸(千葉)のエース右腕・門倉昂大(かどくら・こうた/3年)は、文句なしのピッチングを見せた。
雪のない場所で繰り返し合宿を行ない、徹底的に練習を積んできた北照であっても、春先のこの時期に、目線から遠い低めのポイントへこれだけスライダーやフォークを決められては、「何もできませんでした......」という結果も無理はないだろう。
腕の角度をオーバーハンドからスリークオーターへ下げた門倉の状態が、すごくよくなっていることは、大会前から耳にしていた。だから、これくらいのピッチングはするだろうと考えていたのであまり驚かなかったが、「ええっ!」と驚いたのは、第1試合にリリーフで登場した東洋大姫路(兵庫)の背番号10・大野泰聖(3年)だ。
先発左腕の下山大翔(ひろと/3年)は、花咲徳栄(埼玉)を7回まで1安打無失点に抑えていたが、8回に3点を失って逆転を許し、門倉は9回から2番手として登板した。
勢いに乗った花咲徳栄打線、しかも4番・佐伯真聡(まさと/3年)からの攻撃は、さすがに荷が重いかと思われた。だが結果は、センターフライ、見逃し三振、そしてレフトフライ──。わずか14球で、あっという間に抑えてみせた。
じつにいいフォームで投げている。美しさすら感じるしなやかなオーバーハンド。テイクバックが背中側に入らないから、気持ちよく右手が高さをとって、時計の文字盤で12時に近い角度から、タテに右腕が振り下ろされる。
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