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【高校野球】15歳でコーチ業をスタートさせた異色の指導者 帝京長岡・小野寺翔が語る仙台育英・須江航監督との"密な時間" (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Takahiro Kikuchi

 コーチ修行1年目に秀光中は悲願の全国制覇を果たす。2年目は全国準優勝、3年目は全国ベスト4。須江の近くで、人間が成長していく過程をまざまざと見てきた。小野寺は「あの時に現場にいさせてもらえたのは、ものすごい財産です」と振り返る。

 大学で公民科の教員免許を取得し、2021年から帝京長岡へ。その時点で芝草宇宙(ひろし/元日本ハムほか)は監督に就任していたが、甲子園出場実績はまだなかった。

【元プロの芝草監督からは学ぶことばかり】

 15歳から指導経験があるといっても、小野寺はまだ20代の若者である。当然ながらうまくいかないことも多かった。

「こちらがいいと思って言葉をかけても、その選手に刺さらないこともあって。もっと別の言葉のほうがよかったのかなと後悔することも多々あります。うまくいくことばかりではなくて、いろんな失敗をしてきました」

 NPBの投手として通算430試合に登板した実績のある芝草からは、学ぶことばかりだという。

「プロで20年近くやられた方ですから、常に刺激をいただいています。第一線で長くプレーできる秘訣を教わっています」

 指導者・小野寺翔のポリシーはありますか。そう尋ねると、小野寺は引き締まった表情でこう答えた。

「ひとつのプレーに対して、こだわりを持つことです。選手たちには、ひとつのプレーのために準備してきたことをすべて出してもらいたい。もし、試合中に準備していないことが出てしまったら、こちらの責任ですから」

 それは須江の野球にも通ずるのでは。小野寺に聞くと、ニッコリと笑って「そうですね」と首肯した。

 2025年秋、帝京長岡は快進撃を遂げた。新潟3位で出場した北信越大会で勝ち上がり、初優勝。翌春の選抜高校野球大会(センバツ)出場を確実なものとした。

 3月23日、帝京長岡は東北(宮城)とのセンバツ初戦を迎えた。小野寺にとっても、初めての甲子園の舞台である。

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