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【高校野球】花咲徳栄・岩井隆監督が求める自立 「スマホから情報を得ることは悪いことではない」 (2ページ目)

  • 高木遊●文 text by Yu Takagi

 そうした部員たちの姿は、どこか微笑ましくもある。1学年30人ほどの部員に対し、指導者は3人と決して多くはない。だからこそ、重視されるキーワードは「自立」だ。

「指導者が黙っていても動けるように、自分で考えて行動できる集団にしなければいけない。指示を出した際には、それがしっかりと浸透し、意思統一が図れるチームにならないといけません」

 スマートフォンの使用についても寛容だ。夜の点呼後に渡し、朝食前に回収する。「夜更かししてスマホを見てしまうことはないのですか?」と尋ねると、岩井監督は首を横に振った。

「スマホをいじること自体は、いいと思っています。情報を得ることは決して悪いことではないですからね。だから、急に打ち方が変わったり、新しい練習を始めたりすることも、全然問題ないと思っています。ただ、それが"今やるべきことなのか""その選手に本当に必要なのか"という問題はあります。だからこそ、指導者は生徒たちの持っている情報量以上に、『納得させられるもの』を持っていなければ、話を聞いてもらえません」

【甲子園ほど美しい場所はない】

 近年は、指導法だけでなく競技そのものの在り方も変わろうとしている。7イニング制については、強豪校の監督を中心に反対意見が根強いが、岩井監督は「いずれ導入されることになると思います」と受け止めている。

「暑さ対策といっても、熱中症がなくなるわけではありませんし、今後さらに気温が上がった時に、その場で議論していては遅い。本音を言えば、私も9イニングでやりたい。ただ、『生徒の健康を守る』とか『野球は9イニングだ』といった単純な話だけでは、判断できない時代になってきています」

 解決策としてはドーム球場の活用なども挙げられるが、「やはり舞台は甲子園なんです」と、その案には否定的だ。以前のインタビューでも「甲子園ほど美しい場所はない」と語っていた。

「あのスタンドの大きさや広さ、前にせり出したベンチ、360度見渡せる開放感、そしてアルプススタンドという応援席。フェンスが低く、観客と一体になっているような感覚もあって......。ほかの球場とはまったく違います」

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