【高校野球】崇徳が「あと1勝の壁」を越えてつかんだ33年ぶり甲子園 スコアボードに刻んだ悔しさと拾い続けた運 (2ページ目)
ただ実力だけでは、中国王者になるのは難しい。人事を尽くした結果が、悲願を引き寄せた。あと1勝で選抜出場当確ランプが灯る中国大会準決勝の倉敷商(岡山)戦の前、試合会場のユーピーアールスタジアム(山口)周辺のゴミを黙々と拾い続ける選手たちの姿があった。藤本監督が意図を説明する。
「ゴミを拾うことで、考え方が変わってくると思うんです。段々と大人になるというか、こういうことも大事なんだなということがわかってくれば、普段の生活が変わってきます。普段適当にやっている子は、ここ一番で力を発揮できません」
前チームから続く、「人の落とした運を拾う」という取り組みを野球の神様はしっかりと見ていた。岡山大会4試合で33得点をマークした強力打線のお株を奪う猛攻を見せ、終わってみれば10対0の8回コールド。徳丸も3安打でシャットアウトと、完璧に近い内容で「あと1勝」の壁を超えて見せた。
「私自身も含め、中国大会の準決勝が、一番プレッシャーがあったと思います。勝った時は久しぶりに感動しましたね。準々決勝の関西(岡山)戦からの1週間が本当に長く感じました。崇徳にとって、本当に大きな1勝でした」
【神宮大会で全国のレベルの高さを痛感】
中国覇者として51年ぶりに出場した神宮大会では全国のレベルの高さを肌で感じることもできた。初戦となる準々決勝の花巻東(岩手)戦。先発の徳丸は0対0の6回二死から4番の古城大翔(ふるき・だいと)に木製バットで左越えに先制本塁打を被弾。最終的に1対3で競り負けたが、絶対エースは前を向く。
「全国クラスの打者たちを相手に楽しみながら投げることができたので、自分のなかでは経験値はすごく上がりました。花巻東さんも選抜に出るので、今度は自分たちが勝つというのはもちろんですし、甲子園で古城選手にやり返したいなという思いです」
ただ、藤本監督は敗因を冷静に分析していた。全国常連の花巻東との決定的な差は、「大舞台の雰囲気に飲まれてしまった」という点だ。
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