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【高校野球】来年のドラ1候補が再始動 沖縄尚学・末吉良丞が重圧のなかで見せつけた甲子園優勝左腕の底力 (3ページ目)

  • 内田勝治●文 text by Uchida Katsuharu

 末吉も今秋、最上級生としての責任感から、「空回りする場面があった」と振り返る。沖縄大会準決勝のエナジックスポーツ戦で先発。4回に味方が先制した2点を守りにいく姿勢が力みへとつながり、直後の5回に同点とされてしまう。結局7回2失点で、チームは5対2で勝利して九州大会進出を決めたが、悔しさが残った。

「決勝戦の前に比嘉先生に『野球はチームスポーツ。自分でなんでもできるわけじゃない。任せるところは任せないと』と言われました。チームを引っ張っていくという面では自分がやらないといけませんが、そこまで気負わずに九州大会に入ることができて、まずは無失点で終えることができてよかったです」

 28日の準々決勝で勝てば来春の選抜出場が確実となる4強へ進出するが、相手は強豪の神村学園(鹿児島)。簡単に勝てる相手ではないことは重々承知している。3季連続甲子園、そして過去4例しかない夏春連覇へ、ここを乗り越えなければ、先はない。

「昨年の先輩たちの代では、九州大会で優勝して神宮大会、選抜に出て、最終的に夏の甲子園で初優勝をすることができました。自分たちの代でもしっかり勝ち切るということを大切にしてやっていきたいです」

 新たなる境地へと達した日本一左腕が、新たなる高みに向け、次戦こそ真価を証明する。

著者プロフィール

  • 内田勝治

    内田勝治 (うちだ・かつはる)

    1979年9月10日、福岡県生まれ。東筑高校で96年夏の甲子園出場。立教大学では00年秋の東京六大学野球リーグ打撃ランク3位。スポーツニッポン新聞社でプロ野球担当記者(横浜、西武など)や整理記者を務めたのち独立。株式会社ウィンヒットを設立し、執筆業やスポーツウェブサイト運営、スポーツビジネス全般を行なう

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