【夏の甲子園2025】ベスト8出揃う 現地取材記者が予想する準々決勝以降の戦い 横浜の春夏連覇の可能性は? (2ページ目)
沖縄尚学の2年生エース・末吉良丞 photo by Matsuhashi Ryukiこの記事に関連する写真を見る戸田道男氏(編集兼ライター)
大会前の予想で優勝候補に挙げた沖縄尚学を、せっかく8強入りしたので変えずに優勝候補に推したい。
しかし、大会前の予想は組み合わせ抽選が決まる前が締め切りで、横浜など横綱クラスとはむしろ序盤で当たったほうが自力で倒すチャンスがあるのでは、という仮定を基にした予想。
実際、智辯和歌山は花巻東に、健大高崎は京都国際に初戦で敗れ姿を消したものの、横浜、東洋大姫路、さらに昨夏決勝を戦った京都国際、関東一をはじめ8強には数々の難敵が勝ち残った。
沖縄尚学は3回戦で延長11回タイブレークの激闘の末、仙台育英を倒して勝ち上がったが、本当に優勝にたどり着くためにはこれからが前途多難。序盤で倒しておきたかった相手がまだごろごろ残るベスト8となった。
準々決勝の相手は東洋大姫路。高畑知季、白鳥翔哉真らの中軸打者が好調で打線の力強さは前評判どおり。エースナンバーを背負う木下鷹大が軸の投手陣もまだ余力がありそう。
対する沖縄尚学はエース左腕・末吉良丞が圧倒的な存在感を発揮し、打線も安谷屋春空、宜野座恵夢ら勝負強い打者が調子を上げてきた。とはいえ、頼みの末吉が169球の熱投から中1日で迎える大会4試合目。これほどの消耗は正直想定していなかった。東洋大姫路戦に限って言えば、2回戦・鳴門戦で先発した右腕・新垣有絃がなるべく長いイニングを投げ、末吉の負担を減らす投球ができるかがカギか。
仮に東洋大姫路を自力で倒して準々決勝をものにしたとしても、準決勝、決勝はさらに厳しい試合が続く。昨夏決勝を戦った経験値がじわじわと重みを増す京都国際、関東一、大型右腕・菰田陽生を先発に据えて盤石の戦いぶりを見せる山梨学院あたりは相当手ごわいことは間違いない。
選抜で敗れた横浜に決勝でリベンジを果たして沖縄尚学の夏初優勝となればめでたしめでたしだが、果たして......。
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