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【夏の甲子園2025】ベスト8出揃う 現地取材記者が予想する準々決勝以降の戦い 横浜の春夏連覇の可能性は? (3ページ目)

山梨学院の身長194センチの大型右腕・菰田陽生 photo by Ohtomo Yoshiyuki山梨学院の身長194センチの大型右腕・菰田陽生 photo by Ohtomo Yoshiyukiこの記事に関連する写真を見る元永知宏氏(ライター)

 2023年夏から2025年春のセンバツまでの4大会で準決勝に進出した16の高校のうち、8校が関東勢だった。今大会でも、その勢力図に変わりはない。

 ベスト8入りした高校のうち、関東勢が4校(東海1、関西2、九州1)も残っている。優勝候補の健大高崎が夏連覇を狙う京都国際に初戦で敗れた以外、有力とされたチームは順調に勝ち上がった。

 選手の能力や経験値を比較すれば、横浜が日本一に最も近い位置にいるように見える。しかし、主戦の2年生投手・織田翔希は、1回戦の敦賀気比戦で127球を投げて完投勝利。2回戦の綾羽戦ではリリーフで5回3分の2(81球)を投げた。完封勝ちした3回戦の津田学園戦でも106球を投げたことを考えれば、今後は苦しくなるだろう。

 京都国際もそうだ。エース・西村一毅は初戦(2回戦)の健大高崎戦で160球投げて完投勝ち、3回戦の尽誠学園戦もリリーフで4回を68球。これからの3試合を勝ち切るだけの体力が残っているのか、不安は残る。

 そんななかで、「余力」と「伸びしろ」を考えて、山梨学院を優勝候補に推したい。

 初戦(2回戦)の聖光学院戦で先発マウンドに上がった2年生の菰田陽生は6回をノーヒットに抑えた。7回途中でマウンドを譲ったものの、球数はわずか80球。3回戦の岡山学芸館戦では5回3分の2(58球)を投げて1安打しか許さなかった。この日記録したストレートの最速は150キロ。春のセンバツからの成長を考えれば、決勝までの3試合で観客をうならせるピッチングを見せてくれるはずだ。

 菰田のあとに控える技巧派サウスポーの檜垣瑠輝斗も2試合、5回3分の2(67球)を投げて自責点0と好調だ。

 2年生投手を援護する打線は、派手さはないが、コンパクトに振り抜くスイングの強さがある。聖光学院戦で好投手の大嶋哲平から12安打で6得点、岡山学芸館戦では17安打を集めて14点を奪った。指揮を執る吉田洸二監督は機動力を使った硬軟自在の攻めが身上。選抜を2度制した試合巧者の采配がハマれば、一気に頂点まで駆け上がる可能性が見えてくる。

つづく

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