大阪桐蔭の控え外野手はいかにしてドラフト候補へと上り詰めたのか? 国士舘大・山下来球が覚醒 (3ページ目)
すると、山下は表情を引き締めて、こう続けた。
「でも、このままじゃ厳しいと思います。もっともっと突き抜けないと。チームのなかでもリーグのなかでも、どんな場面でもすべてにおいて突き抜けないと。そこは一番考えていますね」
かつては「雲の上の存在」だった池田に対しても、今は「勝負できるかな」と思えるくらい肉薄している実感がある。あとはひたすら実績を積み、プロスカウトを振り向かせるしかない。
開幕2節を終えた段階で、国士舘大は勝ち点0と苦境が続いている。それでも、山下は5試合で打率.381と好調をキープしている。山下は「リーグ戦が初めてという選手も試合に慣れきていますし、チームの雰囲気は悪くないです」と気丈に語った。
来た球を打つ──。山下来球は、その先で道が拓けることを信じている。
著者プロフィール
菊地高弘 (きくち・たかひろ)
1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。
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