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【選抜高校野球】松坂大輔に迫る逸材、規格外の二刀流、宮城大弥の再来...甲子園で輝いた10人の新2年生 (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro

 池田は近未来の守備名人になるだけの素養を持っている。弾かれたような一歩目、しなやかな足運び、鋭い腕の振りのスローイング、どんな体勢でも打球をさばけるボディーバランス。まだ2年生らしく雑なシーンも見られるが、そのフィールディングをシートノック時から堪能したい。

 打撃は下位打順ながら、強く振り抜く意図が伝わってくる。今後は攻守ともに高校球界の中心的存在になる可能性は十分にある。

 外野手では石田雄星(健大高崎)の躍動ぶりが際立った。身長170センチ、体重72キロの小兵だが、1番・中堅手としての存在感は大きかった。1回戦の明徳義塾戦では、三塁走者として好スタートを切って先取点をもぎ取る。準決勝の横浜戦では正確なバックサードで走者を刺し、チームをピンチから救った。

 祖父の真は阪急でプレーした元プロ野球投手。今後は打撃面にもう一段上の強さが出てくれば、楽しみだ。

 捕手では山田凜虎(智辯和歌山)が光っていた。愛知・東海中央ボーイズ時代から有望視されてきた好素材で、今春は6番・捕手としてチームのセンバツ準優勝に貢献。スローイング動作にキレがあり、低い体勢から伸びのあるボールを投げられる。ただし、2回戦のエナジックスポーツ戦では6盗塁を許し、屈辱を味わった。

 以上に挙げた10人は、いずれも大きな伸びしろを残した選手ばかり。これからどんな成長曲線を描き、高校球界を沸かせてくれるのか。楽しみは広がるばかりだ。

著者プロフィール

  • 菊地高弘

    菊地高弘 (きくち・たかひろ)

    1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。

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