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佐々木麟太郎の初ホームランにチームメイトが歓喜 充実のスタンフォード大学生活 (3ページ目)

  • 山脇明子●取材・文 text by Yamawaki Akiko

【佐々木が選んだスタンフォード大の魅力】

 スタンフォード大が今季から所属するACCは、D1のなかでも卓越した強豪ぞろいの "パワーカンファレンス"だ。

 昨季までも同じ"パワーカンファレンス"のひとつで、アメリカ西部の強豪チームが揃ったパシフィック12カンファレンス(略称Pac-12)に所属しており、直近では2021年から23年まで3年連続でカレッジワールドシリーズ(MCWS)に進出している強豪校である。

 また、日本でも広く知られているように、全米屈指の学力を誇る大学であり、IT企業の一大拠点であるシリコンバレーの中心、サンフランシスコ空港から南へ約37kmに位置している。約33キロ平方メートルの巨大なキャンパスは、スパニッシュ・ミッション様式の建物と緑に囲まれている。

 リクルートされる段階で、最終的に絞った数校のなかからスタンフォード大への進学を決めた佐々木は、その理由について次のように説明する。

「本当にすばらしい環境です。そもそも野球だけで(大学を)見ていなかったので、レベルの高い野球ができる環境とレベルの高いチームであること、それに加えてすばらしい学業の部分も持ち合わせています。あとはコーチたち。ここの指導者の皆さんはすばらしいですし、自分に返ってくるリターンっていうのがすごく大きいなと思いました」

 この4月に20歳となり、2026年にメジャーリーグのドラフト指名資格を得るが、アメリカの大学は、在学途中でプロになり、いったん学校を離れても、あとから卒業することも可能だ。

「野球人生って、いつリタイアするかわからない。もちろん長く続けるのが目標ですが、何があるかわからないのがやっぱり野球だし、アスリートってみんなそうなので、それが終わったあとは本当に大事だと思っています。それを考えて、(大学を選ぶうえで)学業を大事にしていたというのがあります」

 今、佐々木が考えている専攻は、ふたつあると言う。

「サイエンス・テクノロジー・ソサイアティ(科学技術社会論)。STSっていうんですかね。それかイーコン(Economics=経済)か、ちょっと迷っています」

広い視野を持って留学生活を送っている。

つづく

著者プロフィール

  • 山脇明子

    山脇明子 (やまわき・あきこ)

    大阪府出身。ロサンゼルス在住。同志社女子大在学時に同志社大野球部マネージャーと関西学生野球連盟委員を兼任。卒業後はフリーアナウンサーとしてABCラジオ『甲子園ハイライト』メインキャスター、サッカーのレポーターなどを務める。渡米後は、フリーランスライターとしてNBA、メジャーリーグ、アメリカ学生スポーツを中心に取材。

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