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【センバツ】健大高崎にタイブレークの末に敗退 明徳義塾監督が語り尽くした甲子園で勝つことの難しさ (2ページ目)

  • 元永知宏●文 text by Motonaga Tomohiro

 明徳義塾もエース・池﨑は9回を5安打、1失点で抑える好投を見せたが、最後まで打線の援護はなかった。

「池﨑は前半、タテのカーブがあまり決まらなくて苦しんだけど、1失点でしのいだわけやから。長打を打たれそうな雰囲気はなかった。問題はやっぱり、バントを絡めた攻撃でしょうね。8回、ノーアウト一塁の場面で4番の里山楓馬にバントさせましたが(2球ともファウル)、スリーバントをさせてもどうなかと思ってバスターをさせました(結果は三振)。8回裏、ノーアウト一塁の場面からチャンスを広げて1点を取っていれば、相手にはものすごくプレッシャーがかかっていたと思う。そのあたりにチームとしての課題がある」

 苦しみながらも接戦に持ち込むことに成功したが、何かが足りなかった。

「ウチは打線が弱いから、勝つためには2対1か1対0しかないと選手に言ってきました。そういう意味では(9回を1対1で終えて)いい感じで試合を進められていた。失敗もあったけど、ペース的には悪くなかった。タイブレークになって、ウチは一番からの攻撃でしたから」

 しかし、タイブレークになってからもミスを重ねた。

「10回表、はじめのバッターに変化球を投げてバントを決められたでしょう。あれはどうなんかなあ。ストレートのほうがバントを失敗する確率が高いと思うけどね。速い球で攻めるのがあの場面でのセオリーですよ。もし変化球を投げるんならボールにしないと。負ける時にはそういうミスが出るんです。普段からずっと言っていることができなかった」

【負けたのは監督の責任】

 甲子園ではミスをしたほうが負ける。これまで敗軍の将が語ってきた言葉どおりの結果になった。

「結論から言うと、10回表の2失点目、ワイルドピッチが痛かった。1点でとどめておけば攻め方はいろいろあったから。打力がないならないでバントをうまく使ってと考えていたけど、両方を強化せんとダメなんでしょう。(10回裏、飛び出してアウトになった二塁ランナーの)池?に『なんで?』と聞いたら、バッターがバントすると思ったからと言う。やっぱりあれはダメですよ」

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