福岡発・アマ野球の新時代! 高校、大学、社会人の3団体が初の交流戦で描く未来 (3ページ目)
益田監督は試合後、「来年以降もぜひやっていただきたいです」と、交流戦の継続開催を熱望した。
「九州六大学さんは1年生で、体はまだできあがっていなくても、スピードがすごかったです。選手たちは、それぞれの大学さんのパンフレットをいただきました。大学野球を知るきっかけになるし、進路授業としても本当にいいと思います」
福岡の高校、大学、社会人の3団体の選抜チームが一同に会し、交流戦が開催された photo by Uchida Katsuharuこの記事に関連する写真を見る
【3団体交流戦の意義】
第2試合は九州六大学2、3、4年生選抜と福岡県社会人選抜が対戦。高校選抜メンバーは、オーストラリア遠征の結団式とユニホーム採寸を終えたあと、ハイレベルな投手戦を食い入るように観戦した。
福岡県社会人選抜の松薗史敏監督(西部ガス監督)も、3団体交流戦の意義を語る。
「アマ同士の裾野を広げるという意味でも、いい試みだと思います。大学生とはよくオープン戦をしていますが、アマチュア最高峰と言われている社会人というカテゴリーの選手がどういうプレーをしているかを高校生に知ってもらうのは、本当に大事なことだと思います。野球の技術だけじゃなくて、大人が全力で取り組んでいる姿勢を見せるだけでも、プラスになるんじゃないかと思います」
高校選抜と社会人選抜は試合ではなく、野球教室で交流。球児たちは、アマトップクラスの技術をしっかりと吸収し、それぞれのチームへと持ち帰った。手探りのなかで始まった3団体交流戦は、大成功のうちに幕を閉じた。東監督が来年以降の青写真を語る。
「ここに福岡六大学さん(九州産業大、福岡工業大、九州共立大、日本経済大、福岡教育大、九州工業大)も入れて大学選抜にしたり、高校はチーム数が多いので4地区ほどに分けて、4年に一度回ってくるような形にしたいですね。中学生も呼んで、野球教室もやりたいです。まず福岡県がやれば、全国でもできるんだということで広まっていってほしいです」
近年、長く断絶状態が続いていたプロ・アマ間の雪解けが急速に進んでいる。アマ同士も縦同士の交流がより密になれば、野球界のさらなる発展につながってくる。
著者プロフィール
内田勝治 (うちだ・かつはる)
1979年9月10日、福岡県生まれ。東筑高校で96年夏の甲子園出場。立教大学では00年秋の東京六大学野球リーグ打撃ランク3位。スポーツニッポン新聞社でプロ野球担当記者(横浜、西武など)や整理記者を務めたのち独立。株式会社ウィンヒットを設立し、執筆業やスポーツウェブサイト運営、スポーツビジネス全般を行なう
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