プロか漁師か...投手経験半年で150キロ到達の紋別高・池田悠真が悩める胸中を吐露 (6ページ目)
その北見支部予選では、池田が「自分より速い」と言う山内擁する北見柏陽高との対決が予想されている。
「全道(北北海道大会)に出られて、そこで納得のいくピッチングができて初めて、プロを目指せるんじゃないですか」
なにも、そうとばかり決めつけなくてもよいだろうが、意志の強さが伝わってくる。
「はい、自分、いろいろ考えたり、迷ったりはするんですけど、いったん『これだ!』と決めたら、そこに全力を尽くす性格なんで」
揺れるだけ揺れて、考えるだけ考えて、時間をかけて心を決めたらいい。時間をかけて自分で決めた「結論」ならば、次のステージでもし何かに突き当たることがあっても、きっと、「よいしょ!」と粘り腰を効かせて踏みとどまれる。
沖縄と並んで、高校野球の「夏」が最初にスタートした北海道。学校のある高台から、はるかオホーツク海を眺めれば、茫々たる大海の向こうは北方領土。そんな土地にも、まだまったく手探りの未来を賭けて、最後の闘いに挑もうとする快男児がいる。
著者プロフィール
安倍昌彦 (あべ・まさひこ)
1955年、宮城県生まれ。早稲田大学高等学院野球部から、早稲田大学でも野球部に所属。雑誌『野球小僧』で「流しのブルペンキャッチャー」としてドラフト候補投手のボールを受ける活動を始める。著書に『スカウト』(日刊スポーツ出版社)『流しのブルペンキャッチャーの旅』(白夜書房)『若者が育つということ 監督と大学野球』(日刊スポーツ出版社)など。
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