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U18日本代表候補合宿で名物記者が惚れ込んだ選手とは? 高校No. 1スラッガーにド迫力左腕も (3ページ目)

  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

【球速以上に速く見える北国の長身左腕】

ーー投手に関してはどうでしたか?

 僕が一番注目して見ていたのが、八戸工大一(青森)の金渕光希投手。身長183センチと長身で、非常に投球バランスの優れた左腕です。実際に2月に八戸まで見にいったんですけど、ひと目見て惚れ惚れしてしまいました。

 今回の代表候補合宿においては、紅白戦でマウンドに上がった時に2回4失点と炎上してしまったんですけど。多少、不運な打球が続いたり、味方の守備の乱れもあったりしたので、まったく問題はありません。

 本人は「代表候補合宿の時は指にかかるボールは少なかった」「調子を落としていて、あまり思うようにいかなかった」と言っていましたが、試合前のキャッチボールや遠投では、むしろひとりだけフォームのバランスがズバ抜けてよかったんです。

 一般的な長身で手足が長い投手、とくに左腕にはよく見られるんですけど、ぎこちないというか、自身の体をうまく扱えない場合が多いんですよ。けど彼にはそれがまったくなく、滑らかに、長い手足を活かした投球ができるんです。

 加えて最後のリリースの瞬間、"ピッ"と指にかかったボールは、勢い、強さ、スピード感がとてつもなく、ドラフト上位で指名されてもおかしくないと思わせるぐらいの威力なんです。

ーーストレートは最速で何キロ出ているんですか?

 今の時点では148キロぐらいだったと思います。ただ金渕投手の場合は、いわゆる「実際の球速以上にボールが速く見える」投手だと思うので、球速数値だけでは推し量れないかなと。

 プロの世界だと、スピードガンで高い数値は出ていても、しっかり振りきられてスタンドに放り込まれてしまう。そういう投手ってたくさんいるじゃないですか。

 でも彼ならば、たとえ140キロ半ばのまっすぐでも、プロの打者相手に差し込めるほどのボールを投げる投手であると感じています。

 八戸工大一はロッテの種市篤暉投手や西武の黒田将矢投手といった楽しみな人材がどんどん出てくるような、投手育成に定評のある高校ですから、金渕投手にもこのまますくすくと育ってほしいですね。

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