清原和博、渡辺俊介らの「ジュニア」が東京六大学リーグで躍動 慶応大・正吾は「4番は僕にとって特別な打順」 (3ページ目)
【父と同じサブマリン右腕】
その清原正吾のいる慶應大と第1週(4月13日、14日)に対戦した東大野球部の投手で、試合前には「もし清原選手と対戦して打たれてしまったら、確実にネットでバズってしまうので、対戦した時には絶対に抑えないといけない」と闘志を燃やしていたのが、かつてロッテで活躍した渡辺俊介氏(現・日本製鉄かずさマジック監督)の長男、渡辺向輝(3年)だ。
投球フォームは、父と同じサブマリン。俊介氏とロッテ時代のチームメイトで、向輝投手の幼少期を知る早稲田大の小宮山監督は次のように印象を語った。
「試合が終わった後、一緒に風呂に入っていたあの子が(対戦相手として)目の前にいて、親父そっくりのフォームで投げている。顔はそこまで似ていないと思うけれど、シルエットやサインを覗き込む姿は父親にそっくりで、どこかタイムスリップしたような感じがして感慨深いですね」
清原との"2世対決"はお預けとなったが、渡辺はリリーフとして8試合に登板。従来のスライダーに加え、カーブやシンカーを習得したという今季は、11イニングを投げて防御率2.45と安定した投球を見せた。
都内屈指の進学実績を誇る海城高校を経て東大の理科二類に入学。複数の球種を近い軌道から変化させて、打者の見極めを困難にする"ピッチトンネル"を追求する理論派は、先発ローテーション入りを目指して投球に磨きをかけている。
そのほか、吉鶴翔瑛(4年・法政大/父・憲治=元中日、ロッテ)、広池浩成(2年・慶應大/父・浩司=元広島)、大越怜(3年・立教大/父・基=元ダイエー)ら元プロ野球選手の2世たちが盛り上げたリーグも、残すところあとわずか。勝利の女神はどのチームに微笑むのか、その行く末を見守りたい。
著者プロフィール
白鳥純一 (しらとり・じゅんいち)
ライター。ソウ・スイート・パブリッシング所属。WEBサイト「キングギア」でのライティングをきっかけに取材活動を開始。スポーツの取材やインタビュー記事を中心に執筆を続けている。
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