部員19人、別海高校の最大の武器は「揺るぎなきチームワーク」 センバツ初戦の難敵相手にも「臆することなく戦わせてもらいます」 (2ページ目)
千田が誇るように言う。
「試合でのことというよりは、普段の取り組みで『圧倒しよう』と。練習での行動から試合中の全力疾走とか、みんなそこにこだわっているつもりですし、秋の大会を通しても『どこにも負けてない』と思いました。この代が結果を出せている要因はそこかなって」
【「やっぱり、ここに来てよかった」】
ムードメーカーの中道を中心とした、チームの明るさ。出場は未確定ながらも、「センバツに出る!」と意気揚々に鍛錬を積む先輩たちの姿に触れ、1年生の立蔵諄介(たてくら・しゅんすけ)は自分が決めた道の正しさを再確認していた。
「やっぱり、ここに来てよかった」
札幌市で育った立蔵は、中学時代に所属していたチームが合わず精神的に追い詰められ、学校に通えない時期があった。そんな苦悩を経て移籍した軟式野球チーム『オックスベースボールクラブ』は、選手に「野球を楽しむ」ことを第一に教えており、立蔵にとっての原風景となっていった。
バッターとして中軸を打ち、ピッチャーとしても最速133キロを誇っていた中学生は強豪校からマークされる存在となった。しかし立蔵の高校選びの基準は、自然と「強い」より「楽しめる」ほうへと比重が傾いていった。
そんな折、オックスでも指導しているバッティングコーチの小沢永俊から別海を勧められ、チームメイトの波岡昊輝(こうき)、川上大翔(たいと)と練習会に参加した。
ほぼ、即決だった。
「練習中の声の出し方とか、活気がすごくオックスに似ていて。監督さんと話させてもらった時もすごく熱意が伝わってきて、『このチームいいな』って」
宿泊先で波岡、川上に「ここ、いいよな」と立蔵が言うと、ふたりとも「ここだな」と賛同する。そして3人は、監督の島影に「別海に行きます」と約束し、札幌へ帰った。
それから約1年後の昨年秋。立蔵は中軸を担い、波岡はリードオフマンとしてチームを支えた。川上も背番号7を勝ちとった。
別海中央中時代に全国を経験する堺たち5人の先輩を含め、少数ながら精鋭が揃う。
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