2024センバツ有力校はこの6校 3つのデータから導き出した投打のバランスナンバーワンは? (2ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka

 打線は中軸に座る高橋徹平、熊谷俊乃介と一発のあるふたりが注目されるが、キーになるのは1番の俊足・飛田優悟。11試合で10四死球を選び、打率は.500。飛田の出塁がチームに流れを呼び込む。関東一は以前から足を使った野球を展開しており、新基準バットの影響を受けにくいのも好材料だ。

 秋の神宮大会では大阪桐蔭を破ったが、米澤貴光監督は「うちが神宮に慣れていただけ。甲子園でやったらどうなるかわからない」と自信を持つどころか、チームを引き締めていた。スキを突く走塁、進塁打の徹底などこれまでも武器にしてきた部分が新規格バット元年に強みになるか。

【関東一を追うのはこの5校】

 2項目でトップ10入りしたのは報徳学園、広陵、神村学園、健大高崎、豊川の5校。このうち、神村学園、健大高崎、豊川は攻撃部門のみでトップ10入り。投打の2項目でトップ10に入った報徳学園(BB/Kが4位、K/BBが2位)、広陵(OPSが9位、K/BBが6位)の2校が関東一に続く。

 報徳学園は昨年の準優勝に貢献した間木歩、今朝丸裕喜のふたりが健在。間木はK/BBが7.17。41回3分の1を投げ、自責点はわずか1(防御率0.22)と安定感抜群だ。188センチの大型右腕・今朝丸は安定感こそ間木に劣るが、最速が150キロに伸びた直球とフォークは簡単には攻略できない。

 打線はチーム打率.297と物足りないが、伝統的にバントやエンドラン、スクイズなどで得点を取るスタイル。新規格バットでロースコアの展開になれば、むしろ自分たちのペースで試合ができるだろう。

 広陵は1年春からエースナンバーを背負う高尾響、1年秋から正捕手の只石貫太のバッテリーの評判が高い。高尾はMAX148キロの速球に加え、スライダー、カーブ、スプリット、カットボールと球種も多彩。球速、球威、キレはいずれも充分だが、課題は球数が多いこと。1試合で150球前後になることがたびたびある。「抑えてやろう」というより「打ってもらおう」という意識で投げ、球数を減らすことができるか。

 二番手の堀田昂佑も最速140キロ台後半を投げる力があり、中井哲之監督の投手起用もポイントになる。

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