識者5人のセンバツ優勝予想 「山梨学院の連覇は?」「大阪桐蔭は強い?」「西暦末尾4の年は...」 (4ページ目)

田尻賢誉氏(ライター)

優勝予想:報徳学園

 今大会最大の注目は新規格バットの影響がどの程度出るか。筆者には「意外と本塁打は出る」という話も入ってきているが、「新規格バット=飛ばない」という先入観やメーカーもまだ試行錯誤している状況ということもあり、近年にはない投高打低の大会になると予想する。イメージ的には秋の新チームが試合をする感じになるだろう。

 となると、やはり複数の好投手がおり、かつ守備力の高いチームが浮上する。その筆頭になるのは報徳学園だろう。

 昨春の準優勝に貢献した間木歩、今朝丸裕喜の両右腕が健在。間木は昨秋の公式戦で防御率0.22と驚異的な数字をマーク。1試合平均与四死球が1.31個と無駄な走者を出さない。今朝丸は最速150キロを記録。球威と球速で間木を上回る。

 守備も1試合平均失策が0.40個と安定。失点を計算して戦えるのは強みだ。チーム打率は.297と物足りないが、選球眼はよい。もともとバントや機動力を使った攻撃をするのが伝統。ロースコアの試合に慣れているのが新規格バットの野球にはプラスになるはずだ。

 対抗馬として挙がるのが関東一と広陵。関東一は、左腕の畠中鉄心が1試合平均与四死球0.77個と安定。畠中が中盤まで投げて試合を作り、最速145キロと球威のある坂井遼につなぐパターンが確立している。

 打線は例年より足の速い選手は少ないが、俊足かつ出塁率の高い1番の飛田優悟が出れば関東一らしい足を絡めた攻撃ができる。報徳学園同様、もともと打てなくても対応できる野球をやってきたのは強みだ。

 選手個々の能力が高いのが広陵。1年春から背番号1を背負う絶対的エース・高尾響に加え、二番手の堀田昂佑も成長した。高尾は球数が多いタイプだけに、新規格バットを利用して打たせて球数を減らせるかがカギ。打線は残塁が多いのが課題。チャンスで点数を取り切れるか。

 ダークホースは京都国際。秋の公式戦で1試合平均の与四死球が1.16の左腕エース・中崎琉生を擁する。毎年売り物の守備力は今年も高く、1試合平均失策は0.70個。二番手以降も鳥羽真生、西村一毅、長谷川颯と3人の左腕がおり、秋のような試合展開になれば左腕の強みが出るはずだ(秋は変化球でストライクがとれる左腕は勝ち上がりやすいため)。

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