識者5人のセンバツ優勝予想 「山梨学院の連覇は?」「大阪桐蔭は強い?」「西暦末尾4の年は...」 (5ページ目)
菊地高弘氏(ライター)
優勝予想:報徳学園
まずポイントになるのは八戸学院光星と関東一が対決する開幕戦。この試合が投手戦になれば、「やはり新基準バットは飛ばないから投手優位の大会になるのか」という空気感が醸成される可能性がある。
八戸学院光星はドラフト候補左腕の洗平比呂だけでなく、岡本琉奨、森田智晴と能力の高い3人の左腕がおり、関東一には畠中鉄心、坂井遼と左右二枚看板がいる。開幕戦の勝者が大会の流れを引き寄せ、一気に上位進出を果たすのではないか。
組み合わせ抽選会により、Dブロック(8校)に大阪桐蔭、報徳学園、作新学院、愛工大名電、神村学園、常総学院など有力校が固まった。文字どおり「Deathゾーン」になってしまったが、日程的にも優勝するには8〜9日間で5試合を戦わなくてはならず不利な状況だ。
計算が立つ複数の好投手を擁することが勝ち上がる絶対条件と考えると、もっともイメージが湧くのは報徳学園。最速150キロのドラフト候補右腕・今朝丸裕喜以上にカギを握りそうなのが、実質的なエース格である間木歩。球威的には物足りないものの、変化球の精度や制球力は高校トップクラスで昨秋の公式戦防御率は驚異の0.22。報徳学園は守備力も高いだけに、ロースコアの展開に持ち込める可能性は高い。
大阪桐蔭は昨秋に綻びを見せた内野守備の改善と、粒揃いの投手陣のなかで絶対的な柱が生まれるかどうかがポイント。新2年生の怪物候補・森陽樹の成長ぶりにも注目だ。
投打にタレントを揃える健大高崎も戦力的には優勝候補。大味な野球にならなければ、勝ち上がるイメージが湧きやすい。4番・捕手と攻守の大黒柱である箱山遥人がキーマンになる。
高尾響という絶対的なエースを擁する広陵、攻守にバランスのいい戦力で昨秋の明治神宮大会を制した星稜も優勝争いに絡む可能性がある。広陵は主砲の只石貫太が大会で木製バットの使用を検討しており、球場の雰囲気をガラッと変えてスタンドを味方につけるシーンが見られるかもしれない。星稜は新2年生の正捕手・能美誠也の存在感が増せば増すほど、頂点に近づきそうだ。
不気味なのは創志学園。戦力的に面白いだけでなく、門馬敬治監督は前任の東海大相模で3回センバツ優勝を経験するなど「春の戦い方」を熟知している。状態のいい選手の見極める術に長けており、意外な選手起用で流れをつかむかもしれない。
甲子園で語り継がれる“奇跡バックホーム”はいかにして生まれたのか。松山商業を日本一に導いた澤田勝彦元監督の野球哲学に迫る書籍が発売決定!
『日本一のボール拾いになれ』
元永知宏・著
●発売日:2024年3月6日
●定価:1,650円
●仕様:四六判、ソフトカバー、240ページ(予定)
●発行:東京ニュース通信社
●発売:講談社
フォトギャラリーを見る
5 / 5