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甲子園初の女子マネノッカーはネットの中傷に「怖くなることも...」 城東・永野悠菜を支えた監督と選手の言葉

  • 寺下友徳●取材・文 text by Terashita Tomonori
  • photo by Terashita Tomonori

 山梨学院の山梨県勢初優勝で幕を閉じたセンバツ高校野球。そんな今大会ではもうひとつの「初」が話題を集めた。

 21世紀枠で初出場した城東(徳島)の永野悠菜マネージャー(3年)による、甲子園初の「女子マネージャーによるシートノック」である。

 城東は昨秋、県大会でベスト4入り。進学校の限られた練習時間のなか、永野さんを含めた部員13人で創意工夫にあふれた練習方法に取り組み、結果を出した。そうした実績が認められ、センバツ出場を果たした。

 だが、甲子園にたどり着くまでの道のりは決して平たんなものではなかったーー。

3月11日、京都文教との練習試合で内野ノックを打つ城東の永野悠菜マネージャー3月11日、京都文教との練習試合で内野ノックを打つ城東の永野悠菜マネージャーこの記事に関連する写真を見る

●本番前に漏らしていた不安

「やっぱり急にインターネットに自分が載るようになって......。周りの意見が怖くなることもあるんですけど、でも......不安があることはみんなには言っていないです」

 3月11日。ユニフォームを着て甲子園の本番さながらに内野3周分、約2分半のシートノックを打った練習試合後、永野マネージャーはこう語った。

 常に凛とした姿が印象的な永野さん。甲子園で初めて女子マネージャーがノックを打つことについて、「自分がしてきたことを表現できる場をいただいてすごく光栄です」と答えていた。

 だが、「いろいろな気疲れもあるのでは?」との筆者の質問に対し、ふだんあまり見せない悲しげな表情に変わり、声を少し詰まらせながら不安を口にしていた。

<女子マネがなんでノックを打つ必要があるのか?><21世紀枠出場を得るための話題づくりじゃないのか?>

 新たな歴史を切り拓く永野さんに対し賞賛の声が多かった一方で、とても書けないような酷い内容を含め、彼女に降り注ぐ批判や中傷があった。

「永野には『見るな』と言っているんですが、どうしても目に入ってしまうようです」

 苦悩の一端を新治良佑監督はそう明かした。

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