データから読み解くセンバツ優勝校予想 総合力の広陵、投手力の智辯和歌山、ダークホースは? (3ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

【昨夏の王者・仙台育英も虎視眈々】

 この5校につづくのが沖縄尚学と夏春連覇を狙う仙台育英。沖縄尚学は、秋は多彩な変化球を武器に好投したエース・東恩納蒼(ひがしおんな・あおい)がひと冬を越え、どこまでスケールアップしているか。打線は秋の公式戦で打率.676と打ちまくった1番の知花慎之助が引っ張る。

 仙台育英は昨夏の日本一に貢献した高橋煌稀(こうき)、湯田統真、仁田陽翔(にた・はると)の3投手が健在。3人とも145キロを投げる能力を持ち、投手陣は質量ともに大会随一。守りも11試合で4失策と安定している。秋はチーム打率.288と打線が物足りなかったが、こちらも優勝メンバーの橋本航河、齋藤陽(ひなた)、山田脩也、尾形樹人(みさと)らが残り、実力、経験ともに申し分ない。甲子園には仕上げてくるはずだ。

 関東王者の山梨学院はBB/Kが6位、OPSが7位。昨秋の公式戦で10試合4本塁打を放った高橋海翔、進藤天ら甲子園経験者5人が並ぶ打線は強力。昨秋は防御率3点台に終わったエース・林謙吾ら投手陣がどこまで奮起できるか。

 龍谷大平安はBB/Kが2位、OPSが3位で打率も.388と強打が光った。例年は守りのチームだが、珍しく攻撃型のチームでセンバツに臨む。

 このほかには、北大津を春夏通算6度甲子園に導いた宮崎裕也監督が就任してわずか2年で甲子園出場を果たした彦根総合(滋賀)は、ダークホース的な存在として注目したい。昨秋の近畿大会では大阪桐蔭を苦しめただけに、勢いに乗ると面白い存在だ。

【センバツ注目の選手たち】

 選手では、大阪桐蔭の前田とともに大会屈指の投手といわれる専大松戸の平野大地に注目。昨秋は肋骨を痛めて万全ではなかったが、試合をつくり、チームを甲子園に導いた。中学時代は控え捕手で投手歴はまだ3年。伸びしろ十分な最速151キロ右腕が甲子園で進化した姿を見せるか。

「木下達生コーチ(元日本ハム)の指導を受けたい」と、沖縄から愛知にやってきた東邦・宮國凌空(りく)も最速149キロを投げる右腕。昨秋は球速よりも制球を重視し、勝てる投球に専念した。甲子園ではどんな投球を見せるか。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る