【センバツ雑学】甲子園開幕戦に愛された男たち 東北高・佐藤洋監督が「選手・監督の両方で開幕戦を経験」する10人目に

  • 戸田道男●文 text by Toda Michio
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 今年の球春到来は侍ジャパン一色の感もあるが、そんななか、第95回記念選抜高校野球大会(センバツ)が3月18日に開幕する。はたしてどんな大会になるのか。野球好きにとってさらに忙しい日々になるように、センバツのちょっと気になる見どころを独自の視点で探してみよう。

監督として初めて甲子園の土を踏む東北高校・佐藤洋監督監督として初めて甲子園の土を踏む東北高校・佐藤洋監督この記事に関連する写真を見る

【甲子園開幕戦に愛された男たち】

 大会初日(18日)の開幕戦に登場する東北(宮城)は、昨年8月に就任した佐藤洋監督が率いる。佐藤監督は、東北高の内野手として春夏の甲子園に4度出場、社会人・電電東北を経て巨人に入団した「元プロ」の経歴の持ち主。監督としての甲子園初陣で開幕戦を戦うわけだが、じつは東北高の現役時代に、甲子園開幕戦を2度も経験している。

 2年時の79年春は下関商(山口)と対戦、7番サードで出場して3打数0安打、チームも1対6で敗れた。3年時の80年夏は瓊浦(けいほ/長崎)と対戦し、チームは4対0の快勝も、2番サードで出場の自身は4打数ノーヒットだった。

 同期のチームメイトは、左腕エースの中条善伸(のち巨人、南海ほか)、左のスラッガー・安部理(のち西武)。大型チームと注目されながら甲子園本番になると中条が制球難で実力を発揮できず、不完全燃焼の戦いが続いたが、4季連続出場となった最後の80年夏、2度目の開幕戦で中条が初めて会心の投球を披露して無四球完封勝利。対戦相手の瓊浦の下手投げエースはのち阪急、オリックスで野手として活躍した本西厚博だった。

 選手、監督の両方で[m2]甲子園開幕戦登場が実現する例は、昨年夏の国学院栃木・柄目直人(つかのめ・なおと)監督に続いて2季連続ということになる。柄目監督は、選手としては2000年春の育英(兵庫)戦に1番センターで出場し、10対6の快勝。監督としての昨夏も日大三島(静岡)に10対3で大勝した。

 これ以前の例では、松商学園・池田政雄監督、東海大三(現・東海大諏訪/長野)の土屋剛史監督、敦賀気比(福井)の東哲平監督、星稜(石川)の林和成監督と、なぜか北信越勢の経験者が多い。

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